先進国の中で、一人当たりの果物消費量が最低水準と言われている日本。欧米諸国の3分の1程度とも言われているほど低い水準なのだとか。

 四季折々の景色を楽しむように、その月ごとに旬を迎える果物を楽しんでほしい。

 そんな思いを込めて、果物の恵みで私たちの生活を豊かにしてくれる日本橋 千疋屋総本店で提供されている旬のフルーツをご紹介します。

 今回のテーマはころんとしたフォルムがキュートな冬の果物・金柑です。


小さな実の中にビタミンCはじめ栄養たっぷり! 完熟はまるごと食べてみて

 優しい甘みと酸味、ほのかに感じる苦みが特徴の金柑(きんかん)。一番小さな柑橘類で、皮ごと食べられます。

 漢方薬として喉の痛みや痰を抑える効果を持ち、のど飴の原料としてもおなじみですよね。

 日本でも長く愛されていて、鎌倉~室町時代には原産地である中国から輸入されていたようです。

 生産地の1位は宮崎県。他、鹿児島県や和歌山県といった温暖な気候で栽培されます。2月はまさに旬! 甘露煮のイメージがあるかもしれませんが、最近の金柑は糖度が高くなり、完熟ならば生で丸かじりできます。ビタミンCを筆頭にカルシウムやビタミンEといった、体に重要な栄養を逃すことなく摂れることも魅力。

 色つやが良く、皮のキメが整ったものを選びましょう。持った時に重さを感じるものがおすすめ。

 冷暗所で保管し、冷蔵庫なら1~2週間は保存できます。ただ、やはり買ってすぐに食べてしまうのがベストです。

2024.02.20(火)
文=宇野なおみ
撮影=釜谷洋史