先進国の中で、一人当たりの果物消費量が最低水準と言われている日本。欧米諸国の3分の1程度とも言われているほど低い水準なのだとか。
四季折々の景色を楽しむように、その月ごとに旬を迎える果物を楽しんでほしい。
そんな思いを込めて、果物の恵みで私たちの生活を豊かにしてくれる日本橋 千疋屋総本店で提供されている旬のフルーツをご紹介します。
今回はまさに今が旬! 秋の味覚「柿」がテーマです。
ビタミンCがたっぷり! 古くから愛されてきた秋の風物詩
柿は秋に旬を迎える、日本では古くから食べられてきた果物です。学名は「ディオスプロス・カキ」。原産は中国ですが、日本からヨーロッパや北アメリカ大陸へ伝わったこともあり、「カキ」がそのまま世界での名前になっているのです。ギリシャ語のディオスは神、プロスは穀物を表します。「神の食べ物」と名付けられた柿はいまでは世界中で栽培されています。
100グラム食べれば1日に必要なビタミンCがほとんど摂れるなど、栄養を豊富に含んでおり、最近は免疫力を高める果物としても注目を浴びている柿。旬は品種によりばらつきがありますが、10月から11月にかけてです。
日本橋 千疋屋総本店では、まさに今がベストシーズン! つややかな「柿色」をした柿が並びます。
古来からおなじみの果物・柿
柿は日本では古くから食べられていて、「古事記」「日本書紀」に人名や地名として記載があります。縄文時代や弥生時代の遺跡から柿の種の化石が見つかっているのだとか。日本の歴史と歩んできた果物とも言えそうです。
代表的な品種は次郎柿や富有柿。さらに富有の交配種である太秋(たいしゅう)、福岡で誕生した秋王(あきおう)など、新たな品種も続々生まれています。
実家や近所に柿の木があった……なんて方も多いのでは? 比較的寒冷地でも栽培できる果物ですが、奈良県、和歌山県、愛知県などが名産地として知られています。近年では、アメリカやニュージーランド でも栽培され、「KAKI」は世界に広まっています。
2023.10.20(金)
文=宇野なおみ
撮影=釜谷洋史