手軽なところでは味噌汁の具にも◎

 ちんげん菜の魅力は、なんといってもアクの無さ。つまり、刻んでそのままいろんなものに加えやすい。私は味噌汁にもよく使います。

 写真はトマトとのペア。トマトって味噌とすごく相性がいいんですよ。爽やかな味わいになります。これからの季節、お昼ごろ「半袖でもいいかな……?」なんて日にぜひ試してほしい。

 大ぶりに刻んだトマトをトロッとするぐらいまで煮てから味噌を加え、刻んだちんげん菜を加えて1分煮れば完成です。

 汁ものに加えるときは、横にざくざく切ったほうが食べやすく仕上がります。味噌汁やお吸いものに入れるなら、1.5センチ幅を目安に切ってください。

 もっと細く切って熱のとおりをよくして、カップスープやレトルトに加えるのもおすすめ。和食系、中華系はもちろん、トマト系やクリーム系にもよく合いますよ。ポタージュ、クラムチャウダーなんかぜひ加えてみてほしい。栄養価アップにも役立ってくれます。

 そんなこと書いてたら、ちんげん菜入りのクリームスープが飲みたくなってしまいました。コーンクリーム缶詰を牛乳でのばしつつ、炒めた玉ねぎと煮て、刻んだちんげん菜を加えて軽く煮たものです。うん、やっぱりよく合うね! 

ぜひ試してほしい、ちんげん菜の浅漬け!

 ちんげん菜のことをツイッターでつぶやいていたら、フォロワーさんから「新鮮なものは浅漬けにしてもおいしいですよ」と教わりました。

 ええ、それは知らなかった! やってみたら……抜群ですね。しゃくしゃくとした歯ざわりが最高で、みずみずしさが際立って。冗談抜きに大好物になってしまったんですよ。

 茎のところを乱切りにして、軽く塩をして全体を軽く合わせ、保存容器に入れて冷蔵庫で20分ぐらいおけばもう食べられます。私は茎200グラムに対して「あら塩」3グラムちょいを加えましたが、これだとかなり軽い塩加減です。その日のうちか翌朝に食べ切るぐらいの気持ちで。

 ちんげん菜、「使ってみようかな」という気になっていただけたら嬉しい。

 それではまた、来月。

白央篤司(はくおう あつし)

「暮らしと食」がテーマのフードライター。著書に『にっぽんのおにぎり』 (理論社)、『自炊力』 (光文社新書)など。現在オレンジページ、メトロミニッツなどで連載中。料理家としても活動、企業へのレシピ提供などを定期的に行う。人物撮影:内藤恵美
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

Column

白央篤司の罪悪感撲滅自炊入門

料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?

2023.04.13(木)
文・撮影=白央篤司