料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。

 どんなものであれ、作ろうと思ったそのこと自体が尊い。今晩はひと品、作ってみませんか?


牡蠣とブロッコリーときのこのトマト鍋

 3月に入りました。冬と春が入れ替わるこの時期、私は牡蠣をトマト味で使いたくなります。牡蠣って3月内ぐらいはまだまだおいしいもの。だけど真冬の食べ方には少々飽きてもきている。

 そこで、トマトソース。よく合うんです。パスタもいいけど、小鍋でブロッコリー、エリンギと煮てみませんか。いいトリオになるんですよ。

■材料(1~2人分)

・牡蠣(加熱用):100g程度
・ブロッコリー:80g
・エリンギ:60g

A
・ホールトマト(あらごし):200ml
・酒:大さじ2
・鶏がらスープの素:小さじ1
・ケチャップ、水:各大さじ1

■作り方

(1) 牡蠣は塩小さじ2ぐらい(分量外)をふって全体を手で混ぜ、流水でよく洗う。ひだのところもていねいに洗い流す。水気をよく切っておく。

(2) エリンギはタテに4~5等分する感じでほぐす。包丁でもOK。ブロッコリーはレンジ可の容器などに入れて500ワットで2分加熱しておく(直接煮てもいいけれど、時間がかかって煮詰まりやすいので)。

(3) 鍋にAを全部入れてよく混ぜる。牡蠣、ブロッコリー、エリンギを入れて中火にかける。沸いたら火を弱めて6~7分間煮る。

 はい、出来あがり。煮詰まったら、酒少々を足してください。黒胡椒やハーブ塩、オリーブオイルなどをお好みで。おつまみにするなら2人前はじゅうぶんあります。

 おすすめはチーズトッピング! モッツァレラチーズがよく合いますよ。

 チーズを加えたところで全体を混ぜて食べるのがね、おいしいんだ……。タバスコや刻み唐辛子を加えてもいいし、醤油をほんの数滴ほど隠し味で加えてもいいですよ。

 余談ですが、チーズをのせて横から撮ってみたら韓国料理感ハンパないですね。

 野菜をもっと摂りたいなら、アスパラやパプリカが合いますよ。ワインのお供にするもよし。ぜひ、お試しください。

 まだまだ寒い日もありますな、お体どうぞご自愛ください。

白央篤司(はくおう あつし)

「暮らしと食」がテーマのフードライター。著書に『にっぽんのおにぎり』 (理論社)、『自炊力』 (光文社新書)など。現在オレンジページ、メトロミニッツなどで連載中。料理家としても活動、企業へのレシピ提供などを定期的に行う。人物撮影:内藤恵美
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

Column

白央篤司の罪悪感撲滅自炊入門

料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?

2023.03.07(火)
文・撮影=白央篤司