料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。

 どんなものであれ、作ろうと思ったそのこと自体が尊い。今晩はひと品、作ってみませんか?


ブラウンマッシュルームのミートソース

 もう11月ですねえ、ミートソースでも作ってみませんか? きのこをたっぷりと入れて作る、香り高くて旨みの強いミートソースを。

 時間かかりそうと思われるかな、調理時間はおよそ20分ぐらい。

 使うきのこは、ブラウンマッシュルーム。白よりも味わいしっかり、香りがよくて大好きなんですよ。そのままじっくりと焼くだけでもおいしい。使ったことのない方、ぜひ一度試してほしいです。

■材料(2~3人分)

・ブラウンマッシュルーム:250g(2パック程度)
・豚ひき肉:200g
・ニンニク:1かけ(8g)
・サラダ油:小さじ1
・塩:小さじ3/4

A
・ホールトマト:300g程度
・白ワイン:大さじ2
・ケチャップ:大さじ1
・バター(有塩):10g
・醤油:小さじ1

■作り方

 ホールトマト、なんでもいいのですが、あらごしされているタイプのものが使いやすくて気に入っています。ダイスなり、ホールなりをお持ちの方は、適宜刻むなり潰すなりしておいてくださいね。

 まずはブラウンマッシュルームを粗く刻むところから。「この量、多すぎない!?」と思われるかもですが、炒めるとかなりカサは減ります。細かく刻まなくて全然いいですよ。ばらつきがあるぐらいのほうが食感が豊かになります。

 次にニンニクを粗く刻みましょう。フライパンに油をひいて中火にかけ、ニンニクを熱してください。サラダ油と書きましたが、オリーブ油なり、そのほかクセが強くない油でしたら何でもOK。

 豚ひき肉を加えて、全体にほぐしつつ炒めていきます。

 おおよそ豚ひき肉がほぐれたら、刻んだブラウンマッシュルームを加えて炒めていきます。強めの中火で5分ほど、たまに全体を返しつつ炒めてください。

 5分後、こんな感じ。きのこから水分がどんどん出てきてます。ここでAを全部投入してよく混ぜ、また5分ほど炒め合わせてください。

 5分後、こんな感じです。ここで1度味見して、塩を加えます。材料には「小さじ3/4」とえらい微妙な量を書いてますが、かなり塩気をやさしめにしています。というのも、完成してパスタなんかに合わせるとき、粉チーズかけてほどよいぐらいを目指してるんですね。マッシュルームのミートソース、チーズがよく合うんですよ。

 粉チーズをかけないでそのままがよろしければ、塩小さじ1で入れてください。

 塩を加えたら、また5分ほど煮詰めていきます。以上で完成!

 お好みのパスタにたっぷりかけてどうぞ。粉チーズ以外でも、仕上げにオリーブ油や黒こしょうをふってもおいしい。

 今回のパスタは「オレキエッテ」というものを使っています。「小さな耳たぶ」という意味だそうですが、まさにそんな感じ。「Don Peppino」のオレキエッテ、食感がよくて好きだなあ。スープの実として加えるのもおすすめ。

 ブラウンマッシュルームのミートソース、オムレツに入れるのもいいし、アンチョビをちょっと加えて煮詰めてパテっぽくおつまみにするのもいいですよー。ローリエやローズマリーなどハーブを入れたい方はお好みで。

 来月はいよいよ師走ですね。気ぜわしくもなってきますが、どうぞ皆さまご自愛ください。また来月!

白央篤司(はくおう あつし)

「暮らしと食」がテーマのフードライター。著書に『にっぽんのおにぎり』 (理論社)、『自炊力』 (光文社新書)など。現在オレンジページ、メトロミニッツなどで連載中。料理家としても活動、企業へのレシピ提供などを定期的に行う。人物撮影:内藤恵美
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

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2022.11.10(木)
文・撮影=白央篤司