それから、私の場合、構想の段階で「おもしろそうですね」と言われたら「そうか、これはおもしろいのか」と喜んで終わってしまいそうなので、最後まで「おもしろいかどうかわかりません」と言ってもらえたほうがいいのかも……。

川上 ストイック!(笑) 次作もほんとうに楽しみです。今日はお話できて嬉しかった。ありがとうございました。

一穂 ありがとうございました。

構成:相澤洋美 / 撮影:深野未季


プロフィール

川上弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年東京生まれ。94年、「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞しデビュー。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『水声』で読売文学賞、16年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞など受賞多数。19年、紫綬褒章受章。その他の著書に『ニシノユキヒコの恋と冒険』『ぼくの死体をよろしくたのむ』『森へ行きましょう』『某』『三度目の恋』など多数。

一穂ミチ(いちほ・みち)
2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。劇場版アニメ化もされ話題となった『イエスかノーか半分か』などボーイズラブ小説を中心に作品を発表し読者の絶大な支持を集める。22年、初の単行本一般文芸作品『スモールワールズ』が本屋大賞第3位、吉川英治文学新人賞受賞。主な著書に『ふったらどしゃぶりWhen it rains, it pours』、「新聞社」シリーズ、『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』(山本周五郎賞候補)など。22年秋、最新刊『光のとこにいてね』刊行。同作は第168回直木賞候補、また2023年本屋大賞にノミネートされている。

2023.04.07(金)