家事分担の第一歩はエクセル管理から
そんな児玉さんはどのように仕事と育児を両立しているのだろうか。
家事は、三井不動産で男性初の育児時短をとった夫と、平等に分担している。夫は今は時短勤務ではないが、現在も、月・木・金は、保育園に迎えに行き、家事もこなす(火・水は、児玉さんが休みのため、保育園には預けていない)。
とは言っても最初から家事分担がスムーズだったわけではない。ある時期に、児玉さんが家事と育児の負担にストレスが溜まって爆発。エクセルですべての家事を細分化した表を作り、きっちり50%ずつに仕分け、夫と分担することに。3カ月ほどそのとおりに実践した。そのうち、お互いの得意不得意もわかってきて調整をし直し、今では双方に不平等感のない家事分担を行っている。
月末に翌月の残業の予定を入れたスケジュール表が夫から送られてくるので、見ながら自分の予定を入れていく。シンプルなやり方だが、これで夫婦間の「言った言わない」のけんかや、勘違いによる無駄なエネルギーを浪費することなく、スケジュール調整ができるようになった。
今、夫は土・日が定休日で、火・水が定休の児玉さんとは合わない。どちらかが休日の日が週に4日あるため、お迎えなどは代わりあってできるメリットはあるが、児玉さんが休みの日は一緒に遊べるママ友も少なく、男の子二人を抱えて過ごさなければいけないのが悩みの種だ。
ひとりで年子の男の子を連れて遠くにお出かけをするのはかなり大変。1日掃除に明け暮れて、テレビに子守をさせるのもつまらない。
そこで考えたのは、近場で1日思う存分遊ぶこと。
家事代行ベアーズ(外部サイト)を週に1日頼んでいるのは、まさに児玉さんがお休みの火曜日だ。
家事代行では洗濯や掃除、夕飯の簡単な支度までをしてもらう。その分の時間、すぐ近くの公園で虫取りをしたり、探検をしたり、プールに行ったり、朝から一日中、自由気ままに母子3人で過ごす。児玉さんにとっても、心身ともにリフレッシュできる時間だ。仕事のことも家事のことも何もかも忘れて、とことん子どもたちに向き合って遊ぶ。
遊びから帰ってきた時に、家の中がきれいなのも気持ちがいい。
児玉さんにあるのは、常識にとらわれない柔軟な発想力と、現状を変えて良くしようと常に前向きに考え、周りを巻き込みながら進む力だ。それは仕事環境を整えるところにも、仕事そのものにもつながっている。
「子育ての経験が仕事上マイナスになることは一つもない。人生でこんなに素晴らしい経験はない」と言い切る児玉さんは、これからも子育てと仕事を両立させていこうと考えている女性にとって、よきロールモデルとなっていくだろう。
Column
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2013.12.19(木)
text&photographs:HITOMINA