渡邊琴美(わたなべ ことみ)さん
家族:夫、長男(8歳)、長女(5歳)、次女(1歳7カ月)
会社名:(株)アイナロハ
肩書:ままのわ事業部代表(産後・家事サポート)
働き方:フルタイムだがフリー勤務
産前産後のママとパパをサポート
今回ご紹介する渡邊琴美さんは、はつらつとした爽やかな雰囲気が印象的な女性だ。
現在8歳を頭に3人のお子さんを育てながら働くママだが、一番つらかったのは一人目の出産後、当時の勤務先に復職したころだったという。
忙しさに自分自身を見失うような毎日。夫は朝早く出ていき、夜遅くまで帰ってこない。自分は子どものことが大切だから働いているはずなのに、優先事項が子どもファーストになっていない。
「早く早く」と子どもをせかし、いつの間にか子どもまで意味も分からず「早く早く」と言うようになっていった。子どもはいつまでたっても保育園になじまず、おまけによく熱を出した。
「一体自分は何のために仕事をしているんだろう? と悩むようになってしまいました」
一方、夫の大地さんもまた気持ちは同じだった。自分では「よきパパ」だと思っていたのに、長時間会社にいる生活では子どもと接する時間もない。家族に寄り添う気持ちはあるのに、微妙にすれ違う。何やら妻は不満があるようだが、よくわからない。
「父親としても夫としてもできていない」と琴美さんに言われたことがきっかけで、働き方を一緒に模索するようになり、大地さんが起業を決意する。
何をしようか考えたときに「自分たちが悩んでいる問題を解決できるような会社にしたい」と二人の意見は一致した。
「共働きの夫婦で、妻のほうに家事の負担が多く、会社にいる時間の多い夫は何が問題で何をどうしていいのかすらわからない。教えてもらったこともないですから。そんなことで悩んでいる人は多いと思いました」
大地さんは「産前産後の男性の役割を伝えよう」と父親学級や企業研修、講演などを手掛ける(株)アイナロハを2011年12月に設立。2012年には「産後サポートままのわ」事業もスタートした。出産・育児を支える社内づくりについての研修、子育て期や介護期の男性社員のライフサポート、出産する女性の復帰サポートなどを手掛ける。
琴美さんは二人目の妊娠時に大地さんの仕事を手伝いはじめ、その後正式に入社。現在は「ままのわ事業部」の代表をつとめ、ままのわスタッフのマネジメント・採用・育成、広報・営業活動に従事している。作業は主に自宅で行う。
(株)アイナロハ創立6年目となった2017年には、産後以後の家事サポートサービス「栄養バランスサポーター」も始め、多くの産後ママ、共働き家庭の支持を得ている。
「ままのわ事業部」代表として忙しい琴美さんに、スムーズな家事・家庭運営の秘訣を伺った。
2018.03.22(木)
文・撮影=HITOMINA