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スキンシップは愛犬のパコ美で足りている

──そう考えると、恋愛するのにいちばん必要なのは、出会いよりも体力でしょうか?

 そうだと思いますよ。だって、浮気する人って本当に体力があって、マメで、スケジュール管理もすごくできる人ですよね。結局、人として、生物として強い人が魅力的でもてているんだと思います。

──2014年2月号の回では、「基本、ちょっと危険な香りのする麻薬みたいな男が大好き」と書かれていましたが、今はどうですか?

 今は「素敵だわ、この人。見た目も悪くないし、才能もあって、もてそう」という、いい物件が近づいてきたら疑うだろうし、そもそも、これだけエネルギーも体力も落ちているのに、相手に気持ちを揺さぶられたり、時間を束縛されたりすること自体が、もういいかなという気もあるんですよね。

 いっそ、まったく感情を揺さぶられることなく穏やかに過ごせる相手とか、時間を気にしなくてもいい相手だったら体力も気力もない今の私でも対応できるんじゃないかと思いますが、果たしてそういう人を好きになるかといったら、ならないと思うんですよね。狭間というか、もはや誰を好きになったらいいのかすら、わからない末期症状です。

──「福士蒼汰くんのことは『いいな』と思う」、と書かれていましたが、福士さんや吉沢亮んみたいな若いイケメンで、夢があるけどお金はない、みたいな人がきたら養ってあげたいと思いますか?

 養ってあげたいとは思わないです。仮にお金がなくても働く気力があって、仕事が終わって帰った時に、家が綺麗に掃除されて、美味しいご飯でも出てきたら、「あれ? 悪くないぞ」と思うのかもしれないですけど。

 でも、もうそれほど性欲もないし、スキンシップは愛犬のパコ美で十分足りているので、パコ美がいればいいかな。

2022.12.09(金)
文=相澤洋美
撮影=山元茂樹