共感してくれるのは圧倒的に女性
──「天下の大人気芸人・オアシズの大久保佳代子とデートする」という夢を叶えてあげたと考えれば、相手に対して申し訳ないと思わなくてもよいのでは。
逆に自分がそんなふうに考える人間だったらイヤですよ。そもそも、根本的に、「もてない」「カバみたいな顔」というコンプレックスがあるので、恋愛に対してはいまだに「私なんか」と思ってしまいます。
テレビに出るようになって、「大久保さん素敵ですよ」と言ってくれる男性もいますけど、「本当の私を知らねーだろ」と思うんですよね、いつも。
この本を読んでもらって、こういうしみったれた食生活もするし、こういうひどい考え方もする私を笑ってくれる人がいれば、その人とは気楽に会えるのかもしれませんが、共感してくださるのは圧倒的に女性ばかりなので……。
──どんな共感の声がありましたか?
「安心しました」という反響をたくさんいただきました。友だちの幸せを妬んだり、綺麗になっていく友だちに「太れ」と願ったりしてもいいんだ、気持ちがラクになった、と言ってもらえるのは、本当にうれしいです。
「自分とまったく同じ状況のなかで頑張っている大久保さんの生き方に泣いた」という感想も多くいただいて、そんなつもりで書いてないけど、私のエッセイを読んで元気になってもらえたなら、それもよかったなと思いますね。
──ご飯を美味しく食べることが人生でいかに大事かということも、大久保さんのエッセイであらためて感じました。
食事って、高級なものが美味しいわけじゃなく、誰とどこで食べるかで変わってきますよね。
今の私は、基本ひとり晩酌なので、豆腐にネギを乗せるとか、厚揚げを焼いて醤油をかけるなど、パパッとできるつまみ系総菜があれば十分なんです。あとは酒とうちの娘(愛犬)が横にいればそれで満足。目の前のご飯が、というよりは最高にホッとできるその“時間”を絶対にキープしたいという感じです。
2022.12.09(金)
文=相澤洋美
撮影=山元茂樹