2021年上半期(2021年1月~6月)にCREA WEBで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。コラム部門の第4位は、こちら!(初公開日 2021年5月29日)。
小学生の頃からフェルトマスコットを誰からも頼まれてないのに作ってはプレゼントしてました。大学生の頃はフェルトのテディベアを誰からも頼まれてないのに作ってはプレゼントしてました。
いつも誰かを思い浮かべて作っていました。実際にあげてもよし、あげなくてもよし。「あの人だったらこんなん笑うだろうな」「こんなん嫌がるだろうな」人を思い浮かべると、無尽蔵にアイデアが溢れてくるのです。
しかし今回、人生で初めて自分のために作りました。完全にコロナの影響です。人に会えない。家から出られない。他人という存在が薄くなりました。否が応でも自分と向き合わなければなりません。「私だったら? 私だったらこんなブローチ欲しいかなぁ。絶対に身につけないけど……」仕事はないが時間はある。一回だけ、作ってみようか。
なんか私、すごい正解を見つけたような気がする。
世界の若者に大人気。おとなの女性をブローチに
◆ルース・ベイダー・ギンズバーグ Ruth Bader Ginsburg (法律家)
アメリカの連邦最高裁判事。「ノトーリアスRBG」と若者からも大人気。常に弱い者の味方だった強い人。超クールな人。映画『ビリーブ 未来への大逆転』見たらよくわかるよ。綺麗な顔立ちに、レースの襟、メガネ、ピアス、ひっつめヘアでRBGに。気高さとお茶目さと清潔感出てる?
◆アンゲラ・メルケル Angela Dorothea Merkel (ドイツ連邦共和国第8代首相)
ドイツ史上、初の女性首相。物理学者でもあって、頭いいんだよ。コロナ関連のニュースでちょいちょい見ているうちに作っちゃいました。柔らかい毛の可愛らしい髪型で、ブルーの垂れ目。実はおちょぼ口で歯が見えないのも特徴の一つ。おちょぼ口で笑うと少女っぽいの。
◆ジャシンダ・アーダーン Jacinda Kate Laurell Ardern (ニュージーランド第40代首相)
ニュージーランドの首相。まだ40歳なのよ。世界の政治家シリーズになっちゃった。なぜなら公人は作るのに許可がいらないのよ。親しみやすい動画などもアップしてて、とにかく高い支持率なのよ。大きく口を開けて笑う姿が印象的。細い糸で歯に縦線入れて、本数が多く見えるようにしました。
◆カマラ・ハリス Kamala Devi Harris (アメリカ合衆国第49代副大統領)
初の女性アメリカ副大統領。「私が初の副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません」て、少女たちに語りかけるんだから。口角をグインと上げて、頰に縦筋の入るパワフルな笑顔が特徴です。片方の耳に髪をかけ、ちらりと見える真珠のピアスがカマラ的。
光浦靖子(みつうら やすこ)
1971年生まれ。愛知県出身。幼なじみの大久保佳代子と「オアシズ」を結成。国民的バラエティ番組『めちゃ2 イケてるッ!』のレギュラーなどで活躍。また、手芸作家・文筆家としても活動し、著書に『靖子の夢』、『傷なめクロニクル』、『私が作って私がときめく自家発電ブローチ集』など。
『私が作って私がときめく自家発電ブローチ集』
誰かに会いたい、でも会えない…
だから大好きな人たちをブローチにしました!
友達、先輩、憧れの人たちの笑い顔と、かわいい動物が満載の最新ブローチ集!
手芸エッセイ、大久保佳代子・目つきの悪い猫・純情乙女なブタブローチの作り方も収録。
2021.08.09(月)
ブローチ制作&文=光浦靖子