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相手に期待させて、違ったと裏切りたくない

──犬や猫を飼っている一人暮らしの女性読者もたくさんいます。大久保さんにとって愛犬のパコ美ちゃんはどんな存在ですか?

 かけがえのない存在です。毎日平和に一日が終わって、お風呂に入ってパコ美と寝られるのが最高に幸せなんですけど、ただ、ふとした拍子に「あれ? これでいいのかな」という漠然とした不安が押し寄せることはあります。

 そんな時は「今動いておけば、もしかしたら60~70歳で誰かと一緒に寄り添いながら暮らす人生を手に入れられるのかもしれない」と思ったりもするんですけど、それは女友だちでもいいのかな、とも思ったり……。

 女友だちも同じように年を取っていくし、いとうあさこさんもそうですけど、自立してお互いに頑張っているからこそ支え合えるのではないか、と考えたりしています。

──「今動いておけば」というところでは、エッセイの「はじめに」に登場した社長さんは、いいお相手だったのでは……。

 でも「焼鳥屋妄想デート」じゃないですけど、あの社長と朝起きてご飯を食べて、一緒にいて……という妄想がまったく広がらなかったんですよ。紹介してくれた、たんぽぽの川村エミコちゃんからは「向こうも大人なんだから、好きにならなかったらその時は断ればいい」と言われたんですけど、基本的に「嫌われたくない願望」があるので、相手にある程度期待させてやっぱり違ったからといって、裏切りたくないんです。

 20代の時は、居留守を使ったり、急にブロックしたりしたこともありましたけど、それこそいい大人なので、そういう「人としてどうなのか」というような行為も、もうしたくないんですよね~。

2022.12.09(金)
文=相澤洋美
撮影=山元茂樹