この記事の連載
- 大久保佳代子さんインタビュー #1
- 大久保佳代子さんインタビュー #2
「42歳と51歳は、おはぎと泥だんごくらい違う」
──書籍化にあたり、あらためて過去のエッセイを読み返して、どのように感じましたか?
今私51歳なんですけど、42歳の頃のエピソードは、自分なんだけど自分じゃないみたいでしたね。「あれ? 私、本当にこんなこと言ったか?」みたいなのもあって。
フォーリンラブのバービーちゃんが「各タイトルの下に掲載日が書かれているので、いつ書かれたのか照らし合わせながら読むとおもしろい」と言ってくれたんですけど、42歳から51歳って、女性にとっては本当に大きな変化の時期なので、一貫性に欠けているのも仕方ないんですよね。そう思って、時系列も言っていることもバラバラなまま、まとめました。
──「42歳と51歳は、おはぎと泥だんごくらい違う」と書かれています。この9年間の差はどこにあるのでしょうか。
「42歳のおばさんも、51歳のおばさんも一緒だろ!」と思うかもしれませんが、たとえば女の人生の一大イベントである出産を考えた時に、42歳はまだまだイケるけど、51歳は生物学的に難しい。そこが決定的な違いじゃないですかね……。
40歳くらいまではまだ、「本当はそろそろやばいかも」という気持ちを押しつぶして「45歳くらいまでなら大丈夫」なんて自分に言い聞かせていたんですけど、42歳から51歳は、ゆらゆらと揺らぎまくる微妙なお年頃です。ごまかしがきかない焦りや、「このままずっと一人だったらどうしよう」という不安が急に襲ってきて……。42歳から51歳の年齢差って大きいなと、あらためて思いました。
2022.12.09(金)
文=相澤洋美
撮影=山元茂樹