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 イスタンブールには旧市街(スルタン・アフメット)と新市街がある。「トルコ・イスタンブールの旅」特集第4回までご紹介してきたのは新市街。今回は旧市街をご紹介する。旧市街は、新市街とは金角湾で隔たれているので、フェリーに乗るか、路面電車、タクシーなどで橋を渡って行く。

 旧市街は、街全体がユネスコの世界遺産に認定されていて、世界でも指折りの観光地。もちろんショッピングも楽しい。古くから人々の暮らしを支えてきたショッピングスポット、バザール(市場)。そのかたわらには、ハリウッドのトップセレブに愛されるジュエリーショップもある。

 数百年タイムスリップしたかのようなバザールで、最先端のジュエリーが販売されている。そんな時代を超えたショッピングを楽しむことができる。

 さらに、今回のグルメ情報は、バザールの建物上階にあるトルコ料理レストラン。バザールの中や周囲にはカフェやレストランがいくつもあるが、なかでも味も雰囲気もいいと評判のレストランだ。

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世界最大最古の屋根付き市場「グランド・バザール」

 イスタンブールの旧市街には、世界で最も古く、最も大きなバザール(市場)がある。その名も「グランド・バザール」だ。トルコ語の名称「カパル・チャルシュ」は「屋根付きの市場」という意味。屋根の着いた総面積3万700平方メートルの敷地に、約4,000軒以上の店舗が軒を連ねる。門(出入り口)は24カ所あり、入り組んだ路地は迷路のようだ。

 「グランド・バザール」は、1461年当時オスマン帝国スルタン(皇帝)のメフメト2世が造った小さなバザールだった。目的はモスクとして使われていた「アヤソフィア」への収入。16世紀にスレイマン大帝の時代に大幅に拡張された。

 バザール内では、路地ごとに扱う商品が決まっている。これは、かつての区画整理の名残。路地によって、金製品・宝石、銀製品、銅製品、陶磁器、じゅうたん、衣料品、布地、革製品、アンティーク、土産物といった商品に分かれている。飲食店や宿泊施設もあり、まるでひとつの街のようだ。

 見ているだけでも楽しいが、欲しいものを見つけたら、まずは値段交渉から始めよう。欧米の物価高が話題になっているが、トルコの物価はもともと日本より低かったこともあり、今でも安心して買い物を楽しむことができる。銀行、郵便局、両替所、カフェやレストランまであるので、あっという間に時間が経ってしまう。

 歩き疲れたら、バザール内にカフェやレストランもあるが、買い物をしたお店でチャイ(紅茶)を振る舞ってくれることがある。なかには買い物をしなくてもチャイが出てくることも(笑)。バザールの中には、配達専門のチャイ店があり、買い物客の間を塗って、もの凄いスピードでお盆に載せた熱々のチャイを配達している。

 場内はとてつもなく広いので、迷子にならないように目印を決めておくといい。あっという間に時間が経ってしまうので、時間に余裕をもって訪れたい。

Ground Bazaar(グランド・バザール)

所在地 ağlıkçılar Cad. Perdahçı Han. (Çukur Han) No:63/4 Kapalıçarşı - Fatih, Istanbul
電話番号 0212-522-39-39 http://kapalicarsiyonetim.com/(トルコ語)

2022.12.04(日)
文・撮影=たかせ藍沙