食通のリピーターを唸らせるために吟味した旬の素材を全国から取り寄せ
料理は日本全国から旬の食材を厳選した創作会席。魚は近隣の相模湾をはじめ、時期によっては京都や青森など、徹底的に美味なるものにこだわって取り寄せている。
この宿に通うのは食通の首都圏在住のリピーターが多いことから、「食」へのこだわりはかなりのもの。
「他の宿とは比べ物にならないほど、好きなように食材を使わせてもらっています」とは料理長の談。木材に糸目をつけないのと同様、食材にもケチなことは言わないわけである。
この日は目の前で表面をパリパリに焼き、湯葉とあわせた極上の鰻が前菜に。びっくりするほどなめらかなトウモロコシのムースやアメーラトマト、枝豆が夏の体を癒やしてくれた。
伊豆・箱根エリアの宿ならば、お造りの皿は相模湾からのものが多くなるのが当たり前だが、この宿は地産地消にはこだわらず、あくまでも旬の食材の味で勝負をする。この日は能登の天然本マグロや鱧の辛子酢味噌和え、勝浦産の金目鯛を自家製の塩麹で勧めてくれた。
椀物は甘鯛の潮仕立て、この日のメインは温玉と九条ネギをトッピングした京都産姫牛のすきやき。付け合わせの野菜とのハーモニーが実に楽しい。豊かなで上質な時間が流れていく。
強羅花扇 円かの杜
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-862
電話番号 0460-82-4100
料金 1泊2食一人 39,000円(一人宿泊は平日のみ)〜
https://gorahanaougi.com/madokanomori/
2022.08.18(木)
文・撮影=野添ちかこ