「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」での「熱血お巡り」キャラも印象的だった結木滉星。これまでのキャリアはもちろん、自らの結婚観も変わった新作映画『凪の島』での撮影裏話などを語ってくれました。
●自身を変えた演出家の存在
――幼い頃の夢は？
幼稚園からサッカーをやっていたので、やはりサッカー選手でした。最初は友だちが習っていたのがきっかけでしたが、最終的に高校までやっていました。でも、高校になったぐらいのときに、上には上がいることを知り、そこからは趣味程度になりました。
――ちょうど、その頃に今の事務所にスカウトされたそうですが、そのときの心境は？
そのときは、そこまで芸能界に興味はなかったのですが、単純に嬉しかったです。そして、「ひょっとして、事務所に入ったら、モテるかも？」と思いました(笑)。ただ、そういう気持ちで事務所に入ったこともあり、いろんなレッスンがとてもきつかったことを覚えています。
――2012年より芸能活動を始められるなか、「劇☆男」や「恵比チリDAN」といったユニットで舞台公演に出演されます。
「恵比チリDAN」の演出だった鈴木勝秀さんに出会ったことで、自分の考えや気持ちが大きく変わりました。演出家さんに言われたことをやるのではなく、自分たちでいろんなことを考えないと生き残れないということを学びました。それによって、演じること、表現することの楽しみが分かってきたような気がします。鈴勝さんとの出会いは、僕にとっての大きな転機だったと思います。
●もっとセリフをもらえる役者になりたい
――一方、14年にはドラマ「弱くても勝てます～青志先生とへっぽこ高校球児の野望～」に出演されます。
3年B組の生徒役だったのですが、同い年の役者が活躍するなか、セリフがほとんどなかったんです。そのため、今後はもっとセリフをもらえる役者になりたいという気持ちが強まり、必死で頑張っていました。
――17年には、人気の舞台「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』 "進化の夏"」に出演。赤葦京治役を演じて、注目を浴びました。
赤葦京治というキャラクターを演じるために、原作を読んだり、いろいろな勉強をしました。とはいえ、最終的に演じるのは僕なので、そこまで意識して原作に寄せることはやめようと思ったんです。結果、「ハイキュー!!」のファンの方に喜んでいただけましたし、それをきっかけにファンになってくださったことも嬉しかったです。
――17年には『一礼して、キス』で、映画初出演されました。
それまで舞台を中心に活動していたこともあり、初めての映画の現場は分からないことだらけでした。立ち位置とかカメラ位置とか、とにかく勉強になりました。ただ、同世代の役者が多い現場だったことで、楽しく和気藹々とした雰囲気に救われた部分もあります。
2022.07.29(金)
文＝くれい響
撮影＝平松市聖
ヘアメイク＝松田陵
スタイリスト＝伊藤省吾 (sitor)
