女性にとって30歳は“代謝の曲がり角”
人間の持つ飢餓に対する危機センサーのおかげで、「肉体的、精神的なストレスを抱えている現代女性ほどやせにくい」と語るのは、医師として、ダイエットに励む1000人以上の女性を診てきた、アオハルクリニックの青木晃先生。
「脳は心身のストレス(体の危機)を察知すると、自律神経が脂肪の分解を抑え、蓄えるホルモンを分泌。ますます脂肪が体につきます。事実、ダイエットに悩み、クリニックを訪れる女性たちのほとんどが、冷え、むくみ、便秘といった体の不調を抱えているのです(DATA1)」
脳の視床下部にある自律神経は、代謝やホルモン分泌、免疫力、そしてデトックスをコントロールする体の司令塔。「もうお腹がいっぱいですよ!」「今から脂肪を燃やしなさい!」と指令を下すのは自律神経だが、この機能自体、うまく働いていない女性が増えているそう。
「空調完備の環境や昼夜逆転の生活など、現代社会独特の環境下での生活が続くと、自律神経が狂い、代謝機能に問題が発生します。結果、冷える→調子が悪くなる→脂肪を蓄える、負のスパイラルに」(青木先生)
追い討ちをかけるように、加齢によって年々、体はますますやせにくくなるという。「肌の曲がり角が25歳ならば、30歳は代謝の曲がり角」(青木先生)と、CREA世代には耳のイタ~イお言葉が……。
2011.08.25(木)
text:Kyoko Nagashima(Lush!)
photographs:Kentaro Mori(portrait) / Hirofumi Kamaya(still life)