脂肪を代謝する力は加齢とともに低下していく

 医学的にいうと「やせる」とは、代謝反応によって「脂肪が溶けて燃える」ことを指す。代謝とは、体内で起こる様々な生化学的な反応のこと。たとえば、摂取した栄養素をエネルギーに変換する、細胞が新しいものに生まれ変わることも代謝だ。

 そしてダイエットを語るうえでは欠かせない「基礎代謝」とは、生きているだけで必要なエネルギー量を指す。人間は呼吸や血液循環、心臓を動かすことで、筋肉や内臓が常にエネルギーを消費している。しかし、18歳前後を境に、その力は低下する一方(DATA2)。その結果、年々脂肪の落ちにくい体になり、「代謝の曲がり角」を迎えるのだ。

 基礎代謝が低下する主な原因は、脂肪を燃やす筋肉量の低下による。20歳を過ぎると、1年につき体重の1%の量の筋肉が自然に失われるので、若い頃と同じ量の食事を続けるだけで、年間約0・3kgの脂肪が増加(DATA3)。1年で見ると大した数字ではないが、30歳にはなんと、3・4kgもの脂肪が増える計算に!

「しかも加齢とともに脂肪のつき方も変化。加齢が進むと、“腹巻きライン”といわれるお腹周りにどっしりつき、いわゆるおばさん体型になってしまいます(DATA4)」(タニタ・西澤美幸さん)

2011.08.25(木)
text:Kyoko Nagashima(Lush!)
photographs:Kentaro Mori(portrait) / Hirofumi Kamaya(still life)

CREA 2011年2月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

最強 腹&脚やせバイブル

CREA 2011年2月号

脂肪は美しく取る!
最強 腹&脚やせバイブル

定価630円(税込)