体の現状を把握すれば誰もが必ずやせられる!

 では、私たちがやせるにはどうすればいいか? やせるメカニズムはいたってシンプル。消費エネルギー量(日常生活での活動量)が摂取エネルギー量(食べる量)を上回れば、体型を維持、または自然とやせられる。つまり、1日の総消費エネルギー量(DATA5)を増やせばいいのだ。

 基礎代謝量は、筋肉トレーニングや食事によって筋肉量を増やせば、自然とアップ。今よりグンと、「生きているだけ」でも脂肪を燃やせる体になる。また、生活活動代謝量はウォーキングやジョギング、ヨガといった運動のほか、駅では階段を使うなど、日常生活のなかでの運動量を増やすことで上げられる。

 もちろん「摂取エネルギー量を減らすほうが手っ取り早いから、食べなきゃいいじゃない!」という結論は乱暴。食事の量を極端に減らすと最初は体重が落ちるが、途中でスピードが停滞。このとき体のなかでは「食べなくても体重が減少しないように」と、ますますやせにくい体へと変化していくのだ。

「たんぱく質は代謝を促す筋肉や血液の素になり、ビタミンは脂肪燃焼にスイッチを入れます。また、ストレスへの抵抗力やホルモンバランスの安定にも三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)は必要。暴飲暴食、高カロリー食はもちろんですが、極端な食事制限もやせにくくなる原因です」(タニタ・小澤智子さん)

※1 同じ体重(筋肉量が同じ)の場合、20代よりも30代では基礎代謝量が下がる計算になるので、それに伴って必要エネルギー量も低下する。また、同体重でも筋肉量が多ければ基礎代謝の低下を防ぐことができる
※2 30代女性の平均体重(厚生労働省「平成19年国民健康・栄養調査報告」より)

 人間はやせにくいのが基本、と冒頭で述べたが、体に及ぼす影響は、遺伝的因子3割に対し、環境的因子は7割。つまり、運動や食事をコントロールし、ストレスや不調を緩和することで、誰もがやせられるのだ。

「ダイエット開始から2週間で脳が体脂肪燃焼の準備を始め、3週間目には体重も変化します。その後は脳もダイエットモードになり、やせやすい体に変わりますよ」(青木先生)
最後に、現在の自分に必要なエネルギー量数を導き出す計算式を紹介するので、ぜひ、日々のエネルギー量計算や運動量の指針にして(DATA6)。そしてこの冬こそ、夢見るボディラインへ生まれ変わろう!

2011.08.25(木)
text:Kyoko Nagashima(Lush!)
photographs:Kentaro Mori(portrait) / Hirofumi Kamaya(still life)

CREA 2011年2月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

最強 腹&脚やせバイブル

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定価630円(税込)