まさかの初出し⁉ オカザキさんとつづ井さんの「エピソード0」

田辺 私には好きなアニメがいろいろあるんですけれど、布教するのが下手くそなんですよ。

酒寄 わかる、私もそうです。

田辺 酒寄さんに「おすすめのものある?」って言われた時も下手くそすぎて、何それ?って言われてしまって。

酒寄 『十二大戦』っていうアニメがすごい好きなんですけども、最初、田辺さんからオススメされた時は内容が全然理解できなくて。そのあと、たまたま雑誌で紹介されていた文章がすごく面白くて、1話を観てドはまりしたんですけど、田辺さんはまるで自分の手柄のように私が薦めたんだって言ってました。

田辺 あははは! アニメにハマったのは27歳の時で、友達から普及された『薄桜鬼』っていう乙女ゲームにハマって。私もこの素晴らしさを誰かに伝えたいと思ったんですけど、「あの……新選組が鬼でね?」とか「さつまと鬼が」とかしか言えないから伝えられなくて。。結局、誰にも布教できなかったんです。

つづ井 たしかに難しいですよね。私自身も成功体験はなくて、どちらかと言うと、私が(ハマりすぎて)おかしくなっちゃうー!って言ってる姿を見た友人たちが「じゃあ一緒におかしくなろうか?」って言ってくれて、一緒におかしくなってもらってるっていう感じです。

田辺 なんて理解のある友人なんだ! じゃあ、変に説明しようとせず、「新撰組が好きすぎて苦しいよ~」とかでいいんですかね?

つづ井 いいと思います!

田辺 私はうまく伝えなきゃって思ってしまって、気持ちのままにいけてなかったんだなぁ。自分のプレゼン能力のなさにいつも落ち込んでたけど、これからは気持ちで向き合います。そういえば4巻に書いてましたけれど、つづ井さんはカードゲームにハマってるんですよね。しかも、“天井”がないと。

つづ井 知らなかったんですけど、カードゲームってそうらしくて、びっくりしちゃいました(笑)。

田辺 そうなると引き際って……?

つづ井 うーーーーん……引いてないんですかねぇ? 出るまで引けばいいのかなって。

酒寄 推しが出るまで引けばいいってことですね。

田辺 昔、酒寄さんが『弱虫ペダル』にはまってて。どうしてもグッズが欲しくて何回もお店に並んでたんですけれど、「店員さんに顔を覚えられてるから」って、ね?

酒寄 そう。田辺さんにお金を渡して、私の代わりに引いてもらったことがありました。

つづ井 そんなことがあったんですね。そういえば学生の頃、ゾフ田からいきなり電話がかかってきて「お腹空いとる? ちょっと来れる?」って言われて、アニメメイトカフェに呼ばれたんです。行ってみたら、ゾフ田とその友人がいて。

 推しのグッズが欲しかったみたいなんですけど、「みんな、お腹がちゃぽちゃぽなんや。お願い、ちょっとあんた、食べて飲んでしてくれん?」って言われたことがありました。実はそこにいたゾフ田の友人がオカザキさんで、オカザキさんとはそこで出会ったんですよね。

酒寄 えぇっ、それがきっかけなんですか?

田辺 すごーい!

つづ井 オカザキさんとのエピソードゼロでした(笑)。

2022.05.07(土)
文=高本亜紀
撮影=今井知佑