喜界島の島ざらめのおいしさを姉妹で伝える
麻美さんと瞳さん姉妹の母親は喜界島出身。2人は小さい頃から島ざらめの味に慣れ親しんできました。
「母も祖母もおやつを手作りしてくれていた。だから、自分の子どもにも自分の作ったおやつを食べさせたかった」。それぞれ3人の子どもの母親で、本やネットで検索したり、お菓子教室に参加したりして、様々なお菓子やパンを作ってきたと言います。
でも、島ざらめを使ったレシピがない。「グラニュー糖などを使うレシピでは、おいしくできない。色も悪くなる」と瞳さん。スポンジ生地は諦めたと苦笑い。
試行錯誤を繰り返して色々なお菓子を手作りするうち、「たくさんの人に島ざらめのおいしさを知ってもらいたいという思いと、小さい頃から食べてきた手作りお菓子の大切さを伝えたくなって」、ついにお店を開きます。
お菓子はすべて姉妹で手作り。ケーキに使用するジャムやピールも自家製。もちろん使うのは島ざらめです。
2人は島独特の食材にも注目。島ざらめの他にも、島バナナやタンカン、パッションフルーツなどを、お菓子作りに取り入れていきました。
そして、ラム酒ではなく、島で黒糖焼酎を造る朝日酒造の特別な焼酎で漬け込んだレーズンを使って作る「黒糖焼酎のレーズンチーズサンド」の大きさや形を改良したり、スノーボールは入手が難しいキメの細かい黒糖をまぶした「Fuwa フウラ」にしたりと、常にブラッシュアップ。
海外から取り寄せたお菓子道具を使った「メッセージクッキー」や新たな缶クッキーも完成間近。
夏には、島ざらめで作った黒蜜をかける「黒蜜抹茶プリン」や、島ざらめで漬けた梅酒を使った冷菓も登場。冬には、朝日酒造の赤ワイン樽で熟成した黒糖焼酎を使った「黒糖シュトレン」も販売。
「はばさ=香りがいい、はなさ=かわいい。喜界島の方言、2つの言葉を合わせると “いとおしい” というとてもステキな言葉になるんです。かわいくて香りが良い手作りのお菓子を楽しんでほしい」。
喜界島への愛をお菓子に込める麻美さんと瞳さん姉妹。新しいお菓子作りへの挑戦は、まだまだ続きそう。
「haba sa hana ハバ サ ハナ」
住所 大阪府豊中市庄内西町2-7-32
電話番号 06-7181-4661
Instagram @habasahana_yakigashi
https://habasahana-store.com/
Column
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2022.04.10(日)
文・写真=そおだよおこ