自分の地元のものを贈る

山本 京都の干菓子専門店、亀廣保の干菓子は、茶道をされている方に教えていただきました。繊細な細工が施されていて、とにかく美しい。茶道をなさっていない方にお贈りしても喜ばれます。

 親しい方のちょっとしたお祝いごとやお礼にも良さそう。

山路 御菓子司 鍵善良房の菊寿糖は、海外の方への手みやげの定番です。日本の美そのものという感じ。和三盆糖という日本文化の説明が会話を弾ませるツールにもなる。弔事用に包装していただいてお供え物としてお渡ししたこともあります。

 自由学園もそうですが、歴史のあるお店はそういう対応もしっかりしてくださるのもいいですね。

山本 無理をしないということでは、よく知っている地元のものを贈るのもいいかと。私の出身地、広島といえばにしき堂のもみじ饅頭が有名ですがふ餅はあまり知られていない。実は美味しいんですよ。

 えー、知りませんでした。よく知られたブランドの知る人ぞ知る銘菓はきっと喜ばれますね。

山路 ブランド力に加えて驚きもあってこれは嬉しい。

季節の風景を切り取った美しくて愛らしい干菓子

#03 京菓子 亀廣保「干菓子詰合せ 茶撰菓(木箱)」

 1915年創業の干菓子専門店。有平糖(あるへいとう)、生砂糖(きざとう)、打物など、様々な材料と技法で四季を描く干菓子は見事。

「可愛らしくて、ため息が出るほど美しい。お礼やお祝いなどに贈ります」(山本さん)

京菓子 亀廣保

所在地 京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町288
電話番号 075-231-6737
営業時間 9:00~17:00
定休日 日曜、祝日
賞味・消費期限 15日
http://kamehiroyasu.com/
※通販可

美しくて軽い百五十年以上のロングセラーを海外の方へ

#04 御菓子司 鍵善良房「菊寿糖」

 菊の花を象った愛らしい菊寿糖は、享保年間(1716~1736年)創業の鍵善良房で、少なくとも150年以上つくり続けられているロングセラー干菓子。

「ソリッドな美しさに惹かれます。和三盆糖は甘すぎず、口どけ滑らか。ひと口で食べられるところもいいですね」(山路さん)

御菓子司 鍵善良房

所在地 京都市東山区祇園町北側264
電話番号 075-561-1818
営業時間 9:30~18:00
定休日 月曜(祝日の場合は翌日休)
賞味・消費期限 90日
https://www.kagizen.co.jp/
※通販可

地元だから知っている知る人ぞ知るお菓子を

#05 にしき堂「ふ餅」

 生地には生麩と瀬戸内の海苔を使用。

「広島に帰省した際には、おみやげ用にいつもふ餅を購入して、数日中にお会いする方にお渡しします。生地がしっかりしていて、こしあんと粒あんがあります。

 ちなみに私はこしあん派(笑)。もみじ饅頭だけじゃないんです」(山本さん)

にしき堂

所在地 広島市東区光町1-13-23
フリーダイヤル 0120-979-161(代)
営業時間 9:00~18:00
定休日 無休
賞味・消費期限 冷凍15日
https://www.nisikido.co.jp/
※通販可

» 「洋菓子」篇
» 「ご飯のお供、酒の肴」篇

●教えてくれたのは……

山本侑貴子(やまもと・ゆきこ)さん
食・空間プロデューサー

dining&style代表取締役。食に関する店舗プロデュース、コンサルティング、商品開発、レシピ提案など幅広く携わる。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、シャンパーニュ騎士として講座や執筆活動を行い、こよなく愛するワインやシャンパーニュの普及にも務める。

山路美佐(やまじ・みさ)さん
食と旅の編集者・ライター

B.EAT代表取締役 雑誌「家庭画報」編集部に勤務したのち、web系グルメマガジン「ヒトサラ」では“編集部一エンゲル係数の高い副編集長”として活躍。現在は「食と旅」のコンテンツ制作、企画、商品開発を行う。幅広い食の経験から発せられる情報や解説は信頼があつい。

馬 衣真(まー・いま)さん
中国料理研究家・華都飯店オーナー

1965年創業の「華都飯店」三代目として東京、大阪、福岡の店舗の運営に携わる。日本における中国家庭料理の第一人者である祖母の馬遅伯昌氏に師事。大学卒業後は様々なレストランのプロデュースやメニュー開発に関わり、現在は中国料理研究家として料理教室を主宰している。

贈りもの賢者に聞いた
「用途別」間違いのないギフト

2021.12.09(木)
Text=Motoko Saito
Photographs=Naruyasu Nabeshima

CREA 2022年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

贈りものバイブル

CREA 2022年冬号

贈りものバイブル

特別定価900円

「CREA」2022年冬号の特集は、「贈りものバイブル」。待ちわびていたその日をより特別なものにしてくれる、そんなとっておきの贈りものを集めてみました。