長年、食の世界に携わり食を愛してやまない3人の贈りもの賢者。贈る機会はもちろん、贈られることも多い3人がときには失敗も経験しながら辿り着いた間違いのない手みやげとは?

 日本全国に老舗がある和菓子。そのブランド力は信頼の証。今回は奥深い魅力ごと贈りたい和菓子をご紹介します。

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長く愛されるものに理由あり

――「お贈りする相手の好みは分からないけれど失敗は許されない」というシチュエーションではどうされますか? 編集部内では“彼ママ”が難しいという具体的な悩みも。

山路 ブランド力に頼るというのもひとつの方法ですよね。贈る相手が目上の方の場合は特に。長く愛され、信頼されているお店のものならまず失敗はないと思います。

山本 誰もが知っているもので格のあるもの。とらやはその代表ですよね。干支羊羹「孟春の虎」のように、季節限定の羊羹や煉菓子を選べば季節感も伝えられますし。

 私はとらやの栗蒸羊羹をいただくと、ああ秋だなあと思います。

山路 彼ママに、地に足がついたしっかりした女性という好印象を持たれること間違いなし(笑)。

――全員から選ばれたさかぐちの京にしき缶も信頼度が高いですね。

山本 以前、山路さんから頂戴して感激し、以来よく利用しています。いただいて良かったものも、自分が贈るときの選択肢に。

山路 さかぐちは、前の職場の近所だったこともあり、京にしき缶は手みやげの定番でした。

 開けたときのインパクトと広がる海苔の香りに思わず「わー!」って声が出てしまいますよね。

山本 サイズも絶妙でひと口で食べられるのもいい。上品ですしね。

山路 嫌いな方はまずいないんじゃないでしょうか。

限定の羊羹や煉菓子で移ろう季節の味を贈る

#01 とらや『干支羊羹「孟春の虎」』

 寅年の2022年、1月中旬まで販売される年末年始限定羊羹。「孟春」とは「春の初め」を意味し、春の訪れに心躍らせ、風を切って走る虎の横姿を黄の煉羊羹で表現している。

「夜の梅やおもかげなど、定番の羊羹も好きですが、季節を楽しめる限定ものも要チェックです」(山本さん)

とらや

所在地 東京都港区赤坂4-9-22
電話番号 03-3408-2331
営業時間 9:00~19:00、土・日曜、祝日9:30~18:00
定休日 毎月6日(12月除く)
賞味・消費期限 140日
https://www.toraya-group.co.jp/
※通販可

賢者たちが揃って定番に。インパクトも味もとびきり

#02 さかぐち「京にしき缶」

 50~60種類のあられ、かきもちが並ぶさかぐち。京にしきは一枚一枚焼き上げた海苔巻をぎっしり並べた人気商品。

「保存用のジップ付きビニール袋が入っているので少人数の会社やご家庭への手みやげにも」(山路さん)

さかぐち

所在地 東京都千代田区九段北4-1-5
電話番号 03-3265-8601
営業時間 9:30~19:00、土曜9:30~17:00
定休日 日曜、祝日
賞味・消費期限 30日
https://sakaguchi-arare.com/
※通販可

2021.12.09(木)
Text=Motoko Saito
Photographs=Naruyasu Nabeshima

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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