テレビや映画を通して知るヨロン島の絶景
人間よりも牛の方が多いというヨロン島。牛舎の脇を抜け、アダンで縁取られた小道を下ってマンマの浜へ。ここでは石灰岩の断層が露わになっています。
島の真南に位置するナガサキという浜は、白砂ではなく、岩盤が露出しています。これは1億5000年~2億年前に形成された、ヨロン島の基盤岩だそう。
かつてヨロン島は、太平洋の真ん中に位置した溶岩の塊でした。それが大陸移動で引っ張られ、そこにサンゴが繁殖して隆起し、島として水面から顔を出しました。
そのヨロン島の基底部分が海底で緑色に変色し、地殻変動と浸食で地表に現れたのが、このナガサキの緑色変成岩なのだそうです。九州山地や四国山地、紀伊山地、赤石山脈、関東山地、房総半島までつながる、“秩父帯”という断層の連なりだそうです。
一周約23.7キロの島が房総半島まで!? スケールが大きすぎて、イメージが湧きません……。
その後、ヨロン島の南北に走る断層によって生まれた段丘を活かして15世紀に築城されたという、与論城跡(与論グスク)へ。斜面に沿って築かれた、龍を模した200メートルもの未完の石積みが当時の栄華を感じさせます。
ここもテレビドラマ『恋する母たち』のロケ地だそうです。
知らず知らずにテレビや映画を通して、ヨロン島の風景に魅了されているかもしれませんね。
ヨロン島
●アクセス 空路は那覇空港から約40分、鹿児島空港から約1時間35分。フェリーの場合、那覇港から約4時間50分
●おすすめステイ先 ヨロン島ビレッジ
https://yorontouvillage.jp/
【取材協力】
ヨロン島観光協会
http://www.yorontou.info/
Column
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文・撮影=古関千恵子