デビューから代表作『るろ剣』まで
「とにかく人生が楽しかった」
――その後、高校2年生のときにスカウトされ、06年に俳優デビュー。07年からは『仮面ライダー電王』の放送がスタートします。過去に「俳優の在り方を学んだ」と語っていらっしゃいましたが、いまも生きている“学び”にはどんなものがありますか?
イベントとか人前に立つ機会が結構多くて、そういった振る舞い方は『電王』のときに学んだと思います。
あと個人的にすごく大きかったのは、ファンの方との交流。
自分を応援してくださる方々と実際にお会いして「皆さんがいるから自分は仕事ができるんだ」と実感しましたし、「この人たちを楽しませるために頑張りたい!」という気持ちがリアルに湧いてきたんです。
――素敵なお話ですね。『仮面ライダー電王』での初主演を経て、『ROOKIES』『ブラッディ・マンデイ』『メイちゃんの執事』『龍馬伝』『BECK』『Q10』など、08年から10年の公開・放送作品が超ラッシュでした。環境が一気に変わった感覚でしたか?
そうですね。感覚的には、デビューしてからそのくらいの時期まではずっとつながっています。『ROOKIES』はデビュー直後に撮影していましたしね。
まさに「環境が変わった」という言葉通り。ただの学生が、一気に社会人になったわけじゃないですか。『仮面ライダー電王』以降は、本当に全てが変わりました。
――環境が変わることで、ご苦労されたことはありますか?
もちろん、スケジュールが過密でなかなか寝られないというような苦労はありましたが、何もかもが新鮮だったので、楽しかったです。プライベートもそうだし、仕事もそう。とにかく人生が楽しかったですね(笑)。
でも確かに、いま思い返してみてもあの頃が一番忙しい時期でした。
――そして、『るろうに剣心』シリーズが始まります。足掛け10年を緋村剣心というキャラクターと共に歩んでこられましたが、ここまで長い期間をひとつの役と過ごす俳優も稀有ですよね。
『るろうに剣心』があるのとないのとでは、僕の俳優人生は全く違っていたと思います。本当に出会えてよかった。剣心はやっぱり、いつ見ても魅力的なキャラクターですよね。
だからこの先、剣心に匹敵する、もしくはそれ以上に魅力的な役柄と出会いたいですし、自分にとって「『るろうに剣心』以上の作品を作りたい」が指針になっています。
2021.09.17(金)
文=SYO
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=古久保英人(OTIE)
中兼英朗(S-14)