2006年に俳優デビューし、今年で15年。佐藤 健はいまや、存在自体がひとつの“歴史”といえる。
俳優としての非凡な才能、ストイックなまでに役と向き合う姿勢はもとより、近年ではなお一層活躍の幅を拡大。LINEやYouTubeで新たな顔を見せ、我々に新たなエンタメの形を届け続けている。
映画においては、約10年にわたる『るろうに剣心』シリーズを成功に導き、続く新作『護られなかった者たちへ』(21年10月1日[金]公開)で社会的メッセージを強く含んだ野心作に挑戦。さらに、22年にはNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』の配信が控える。
「時代の先を行く」を超えて、「時代を創る」領域に到達した佐藤 健。CREA WEBでは、彼のいままでとこれからを紐解く前後編のインタビューを実施。前編では現在に至る軌跡を振り返り、後編では最新作『護られなかった者たちへ』にフォーカスを当てる。
今回は、その前編。目立つのが苦手だった少年が、日本を代表するトップランナーになるまで――。そのヒストリーを、佐藤の語りと共に見ていこう。(全2回のうち前編)
佐藤 健の幼少期からデビューまで
ターニングポイントは「野球」と「ダンス」
――小・中学校と野球に熱中していたとお聞きしましたが、どんな子どもでしたか?
小学生のときは人見知りでしたね。それが、小学3~4年生くらいで野球を始めてから少し変わりました。目立つのがあまり得意じゃなかったんですけど、初めて会う人や、友だちの親御さんに挨拶できるようになりました。
あとはゲームが好きでしたね。学校が終わってから家で1人ですることもあれば、友だちの家に遊びに行ってみんなでゲームをしたり。中学もそんな感じで、友だちと普通に遊ぶ毎日でした。
――高校に入り、ダンスに出会ってから表現の道に興味がシフトしたのでしょうか。
いや、「見せたい」という感覚はそこまでなかったですね。
僕がハマったブレイクダンスは、とにかく技がたくさんあるんですよ。「難易度の高い技をできるようになりたい」という一心でコソコソと(笑)、割とストイックに練習していました。
自分の意志で何かを続けるのは、これが最初でしたね。
――最新作『護られなかった者たちへ』でも、急に走り出すシーンなど静と動の切り替わりが見事でしたが、そうした瞬発力のルーツは少年時代に培われたのでしょうか。
なるほど。自分ではわからないですが、確かに体育の授業は好きでしたし、それこそ小学生のときから体を動かすことには向いていたかもしれません。そうした意味では、ルーツなのかもしれないですね。
そういえば、10代のときはストレッチと開脚、逆立ちをほぼ毎日やっていました。ブレイクダンスの基本だから続けていたのですが、それも関係しているかも。
――ほぼ毎日はすごいですね! 一つのことを極めるのがお好きなのは、現在にも通じるのかもしれませんね。
確かに小さいときからそれは変わりませんね。きっと僕の性格的なものだと思います。
2021.09.17(金)
文=SYO
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=古久保英人(OTIE)
中兼英朗(S-14)