役者・佐藤 健の現在地
30代では「純粋にいい作品に出たい」

――大人気ドラマ『恋はつづくよどこまでも』、『るろうに剣心』4・5作を経て『竜とそばかすの姫』、そして10月1日(金)公開の『護られなかった者たちへ』と続きます。

 純粋にいい作品に出たい、いい作品を作り続けたいという気持ちが変わらずありますね。そこに尽きますが、その中で、時代と共に日本のエンターテインメントの可能性もどんどん広がってきていると感じています。

 たとえば配信作品は、日本で作った作品を世界の人たちに観てもらえるチャンスでもありますし、そこを追求したい気持ちはありますね。配信に限らず、世界の人たちに観てもらえる作品は何だろうとずっと考えていますし、今後はより力を入れてやっていきたいです。

――22年に配信予定のNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』などへの出演がその第一歩でしょうか。

 そうですね。今までも世界へ向けたチャレンジをしたいという思いはありましたが、なかなか難しかった。ですが、たとえば最近だと、韓国ドラマの人気が広がっていますよね。あれはもはや韓国の方だけに向けて作っていないと感じています。世界を見据えて、世界の方々に向けて作っている。日本にもそういった土台ができてきたので、頑張りたいです。

――アミューズから独立し、Co-LaVoへの移籍もありましたが、そうした考えとリンクするものなのでしょうか。

 関係がないことはないけど、10%くらいですかね。アミューズでもできたことだと思いますし、やりたいことだとも感じます。より自由に自分がやりたいことをできるようになりたいし、そういう人生を送りたいと思った、というのが大きいですね。

――ご自身が取り組む「A」での服作りやYouTube活動も順調ですが、表現者として、役者に主軸を置いていくスタンスは変わらずでしょうか。

 そうですね。役者業をやりながら、やりたいことが出てきたらできるだけ実現していきたいなとは思っています。

――非常に楽しみにしています。ちなみに、30代になって「10代~20代とは変わったな」と思うことなどがあれば教えてください。例えば、リフレッシュ方法などは変わりましたか?

 う~ん、今も昔も、やっぱり美味しいものを食べるのが一番ですね(笑)。

 30代になって、特に変わったなと思うことはないです。でも、20代とはまた違った「成果」を見せていきたいとは思うので、まだまだ頑張ります。

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佐藤 健(さとう・たける)

1989年3月21日生まれ。埼玉県出身。2007年に「仮面ライダー電王」でドラマ初主演。ほか「ROOKIES」、「メイちゃんの執事」、「Q10」などに出演後、映画「るろうに剣心」シリーズで幅広い層から人気を集める。17年の映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」では第41回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。21年3月末で15年間在籍したアミューズから独立し、「Co-LaVo」に移籍。22年にはNetflixオリジナルドラマ「First Love 初恋」の配信が控えている。

映画『護られなかった者たちへ』

東日本大震災から10年目の仙台で、人格者と慕われる人物が全身を縛られたまま餓死させられる不可解な殺人事件が相次いで発生。捜査線上に浮かび上がったのは、別の事件で服役していた利根という男(佐藤 健)だった。刑事の笘篠(阿部 寛)は利根を追い詰めるも決定的な証拠がつかめないまま、第3の事件が起きようとしていた。
無残な殺し方の理由、利根の過去。事件の裏に隠された、切なくも衝撃的な事実とは――。

出演:佐藤 健、阿部 寛、清原果耶、林 遣都、永山瑛太、緒形直人、吉岡秀隆、倍賞美津子
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント) 
原作:中山七里『護られなかった者たちへ』(NHK出版)  
監督:瀬々敬久 
脚本:林 民夫・瀬々敬久  
音楽:村松崇継  
配給:松竹
https://movies.shochiku.co.jp/mamorare/

2021.09.17(金)
文=SYO
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=古久保英人(OTIE)
中兼英朗(S-14)