暮らしの達人が日頃愛用している道具や家具をじっくりと拝見する連載「暮らしのMY BEST」。
ご登場いただいた方の目を通して選ばれたものたちが、快適な暮らしにどう役立っているのか、その魅力をひもときます。もの選びの参考にぜひ!
自分と一緒に時を重ねていく感覚が好き
◆CASE05 新行内まいさん(「ルイスポールセンジャパン」ブランド&コミュニケーション チーフ)
今回お邪魔したのは、デンマークの照明ブランドの日本支社でPRの仕事をしている新行内(しんぎょうち)まいさんのお宅。都内のワンルームマンションに暮らしています。
以前住んでいた部屋から愛用しているビンテージの家具、この部屋に合わせて新たに購入したインテリアアイテムなど、どれも新行内さんの目で吟味され、厳選されたものばかり。さっそく拝見させていただきましょう。
計算されたデザインが美しいルイスポールセンのYuhフロア
部屋の中で最初に目に入るのがルイスポールセンの「Yuhフロア」というライト。すっとした美しいデザインが印象的です。
「ルイスポールセンの照明は、古いものでは1920年代に生まれ、ほとんど形を変えないまま今も世界中で愛されていることが魅力のひとつです。こちらは中でも比較的新しい、ガムフラテーシというデザインユニットのものですが、ルイスポールセンのデザイン哲学にもとづき、どのように、どんな光が人のいる空間を快適にするかを考えて設計されています。
シェードが上下にスライドし、普通なら煩わしく感じるコードさえもデザインの一部にしているところが素敵。高さも角度も変えられて、すべてが計算されたデザインですよね。
シェードのスリットからも上に光が出て、天井をやさしく照らしてくれるのもポイントです」
消灯しているときの佇まいはもちろん、点灯したときの光のやさしさも魅力。
「煌々と部屋全体を照らすのではなく、“必要なところに必要な光を置く”というのがデンマークの明かりの考え方。光のかたまりが部屋の中にいっぱいあることで光のグラデーションが生まれ、奥行きが生まれるんです。
うちのようにコンパクトなワンルームでも、壁際に置いたライトでコーナーに光のかたまりをつくると、空間にメリハリがついておすすめなんですよ」
ライトだけでなく、キャンドルでも同じ効果があるとのこと。ぜひ取り入れてみたいインテリア技です。
もうひとつ、ルイスポールセンの照明で新行内さんが愛用しているのは、あの名品。
2021.05.20(木)
文=前中葉子
撮影=平松市聖