暮らしの達人が日頃愛用している道具や家具をじっくりと拝見する連載「暮らしのMY BEST」。
ご登場いただいた方の目を通して選ばれたものたちが快適な暮らしにどう役立っているのか、その魅力をひもときます。もの選びの参考にぜひ!
微笑ましく 心なごむものが暮らしを楽しくする
◆CASE04 大島忠智さん(「IDÉE」ディレクター)
人気インテリアショップ「IDÉE」で広報、バイヤー、企画、商品開発など、多岐に渡って仕事をしてきた大島忠智さん。
インタビューwebマガジン「LIFECYCLING」を立ち上げ、自ら各界の人々のインタビューも行うなど、独自の発想と行動力でインテリア業界に一石を投じ続けるひとりでもあります。
素顔は、好奇心旺盛でインテリアと人が大好き。インテリアの奥にあるひとつひとつの物語をとても大切にしている印象です。
そんな大島さんのプライベートルームはどうなっているの? 日々、どんな道具やアイテムを使って暮らしているのでしょう。ぜひのぞいてみたい! ということで、都内のご自宅へお邪魔しました。
ものとの出会いを思い出して楽しい気分に
リビングを一歩入ると、そこはワンダーランド。
壁には数々のアートや工芸品が飾られ、棚の中にも上にも、世界各国の雑貨がぎっしり。バイヤーとして海外で買い付けを行ってきた大島さんは、プライベートでも数々のお気に入りを入手してきました。
「展示会や買い付けで海外に行った時に、仕事用のほか、資料として自分用に購入したり、ディーラーや作家さんとコミュニケーションをとり、譲ってもらったりしたものが多いです。ものとして、どこか微笑ましいもの、並べた時に心がなごむものが好きだな、と思います」
ちょっとユニークで微笑ましい、心温まるものに囲まれた大島さんのリビング。ものの数は多いけれど一定のルールでディスプレイされた様子は、まるでお店のように整然としています。
ものの表情がひとつひとつしっかり見えながら、集合した様子も美しい、さすがインテリアのプロの部屋です。
「ものをどんどん引き算し、厳選して暮らす“ミニマリスト”にも憧れはあるんですよ。でも、それ以上に僕にとって、ものとの出会いが大切。
物質としてだけでなく、どういう人がどういう気持ちで作ったのか、出会った時の自分の気持ちはどんなだったのか、ふとした時に思い出して楽しくなる。そしてまた、新しい出会いを求めに行きたくなるんです」
2020.10.09(金)
文=前中葉子(BEAM)
撮影=平松市聖