暮らしの達人が日頃愛用している道具や家具をじっくりと拝見する連載「暮らしのMY BEST」。

 ご登場いただいた方の目を通して選ばれたものたちが、快適な暮らしにどう役立っているのか、その魅力をひもときます。もの選びの参考にぜひ!


気がつくと コンパクトで軽いものを選んでいます

◆Case03 ジェゲデ真琴さん(「縷縷 LuLu」店主)

 自宅の1階で竹細工や木工品、漆器などの日用品や生活雑貨の店を営んでいる、ジェゲデ真琴さん。2階がダイニング&キッチン、その奥に洗面所とバスルームがあり、コンパクトながら動線のいい、風通しのいい暮らしぶりがうかがえます。

 アメリカ人の夫と2人暮らしのキッチンは、厳選された道具や器が使いやすく並び、すべて見渡せるのが気持ちいい。それが風通しよく感じる理由の一つかもしれません。

 憧れの「すっきりした暮らし」を実践しているジェゲデさんにとっての「MY BEST」が気になるところ。まずはキッチンのものから見せていただきましょう。

カーブが絶妙。後藤文生作の木のれんげとバターナイフ

「これは後藤文生さんという木工作家のれんげです。柄がゆるくカーブしているので、器のフチに引っかかり、すべって倒れてスープの中に落ちることがありません。なめらかな手触り、口当たりもいいんです」

 陶製のれんげのひんやりした触感、器に当たったときのカチカチ音もなく、なんともやさしい木製のれんげ。

 ジェゲデさんは同じく後藤文生さんのバターナイフ(写真奥)も愛用しています。

 こちらも柄がカーブしていて持ちやすく、先端がフラットに削られていて塗りやすそう。

 さらに、テーブルや皿に直に置いたときに、バターを塗る面がつかない絶妙な角度を保っている様子がなんとも美しく、感動的。

 次は実験器具を思わせる、ユニークなガラスポットです。

2020.07.07(火)
文=前中葉子(BEAM)
撮影=平松市聖