自然への畏怖、そして人間のちっぽけさが、改めて胸に刻まれる風景が広がる
やがてボートはハイライトの「穴通磯」へ。3つの洞門が開いている奇岩で、真ん中の穴はボートで通り抜けることができます。
通り抜けながら、岩穴の天井を見上げると、ギザギザと切り込みを入れたような岩肌を間近に見ることができます。地球の造形美に圧倒される瞬間です。
ちなみに、この穴通磯を通り抜けると幸福になるというウワサがあるとか!?
続いて、両サイドに断崖がそそり立つ「乱曝谷」を通り抜け、波が打ち付ける洞穴から重低音が鳴り響く「雷岩」で圧を感じ、「潮吹き岩」で空高く打ち上がる波しぶきを見上げ、と見どころが続きます。
潮吹き岩は、東日本大震災によって生まれたもの。自然への畏怖、そして人間のちっぽけさが、改めて胸に刻まれる風景です。
さて、座敷わらしの宿「緑風荘」。亀麿さんという、わらしが住んでいるそう。
彼に楽しんでいただこうと、紙風船をパンパンと宙にあげたり、ぬいぐるみで遊んだり、闇に向かって名前を呼んだり、大の大人が大はしゃぎ。
結局、座敷わらしとされる“オーブ”という浮遊物(?)を宿ではたくさん見ることができ、自宅に連れて帰ることもできたようです。
が、我が家の浮遊物、オーブでなくて、室内に舞う埃だという声も……。
きっとこれからいいことがあるに違いないと期待する今日この頃です。
碁石海岸
●アクセス 盛岡駅より岩手県交通バス碁石線で約3時間。車で約2時間あまり。
●おすすめステイ先 座敷わらし伝説の宿 緑風荘
https://www.zashiki-warashi.co.jp/
【取材協力】
碁石海岸インフォメーションセンター
http://goishi.info/
(一社)大船渡市観光物産協会
http://sanriku-ofunato.or.jp/
Column
古関千恵子の世界極楽ビーチ百景
一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!
2021.05.08(土)
文・撮影=古関千恵子