相方の漆原役は本当に、天音くんでよかったです!

――もともとご自身が演じるかも、と思っていた相方の漆原は、岡山天音さんが演じています。剣持と息ぴったりのバディで、おふたりの演技を観るだけでも価値のある1本だと思いました。

 もう全部、天音くんの力です。本当に、天音くんでよかったです!!

――中川さんが想像していた漆原像でした?

 いいえ、「こうくるんだーっ!」と思いました。力の抜け具合も絶妙で、天音くんにしかできない漆原でした。ふたりの関係性は、剣持がアクセルだとしたら漆原はブレーキなんですよね。漆原がいるから、剣持が全力でアクセルを踏めるという、その関係性がすごく大事で。

 天音くんの漆原は、何を考えているのかという感情は表に出てこないけど、それでもいろいろ考えているのはわかりますし、ちょっと抜けているお茶目さや愛らしさもあって。初めてリハで一緒に合わせたときに、「こういう感じでくるんだ! すごく面白い!」と、興奮しました。

――同じ台本を読んでも、違うキャラクター作りになるんですね。おふたりの間で、コミュニケーションは結構取りましたか?

 はい。ふたりで、台本についていっぱい話し合ったなぁ。現場で、天音くんはいつ何時も台本を読んでる、みたいな人なんですよ。だから、「自分はこういう風に理解しているよ」「こういう風に思っているよ」みたいな話をして、それを監督に議題として話したりもしました。

 僕も台本について考えたり、話したりするのがすごく好きなので、本当に楽しかったですね。

2021.04.18(日)
文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=徳永貴士
ヘアメイク=池上豪(NICOLASHKA)