――今作は高校生の設定ですが、おふたりはどのような高校生活を送られてきましたか?

優希 私は母が心配性で厳しかったので、門限があったんですよ。仕事のない日だと18時には帰って来なさい、とか。だから放課後に友達とそのまま制服でどこかに行くっていうのをしたことがなくて、そんな高校生活に憧れてましたね。

井上 僕はほぼ毎日、放課後は友達と遊びに行っていましたね。だから優希さんが憧れるような思い出が多いかもしれません。高校は自転車通学だったんですけど、帰りにコンビニに寄って、男気ジャンケンってわかります?

――はい、わかります。

井上 ジャンケンに勝った人がみんなの分のお菓子を奢り、それをみんなで食べながら帰ったりとか、ちょっと学校が早く終わったらボウリングに行ったりとか、結構アクティブだったかもしれないです。

優希 そういう話を聞いてると青春だな、と思いますね。本当にあるんですね、そういう男気ジャンケンみたいなの。

井上 あるんですよ、本当に。

優希 すごく羨ましいです!

井上 高校生だから例えば6人で行ったら、1人300円って決めてジャンケンをしたら1,800円なんですよ。高校生の1,800円ってとても高いじゃないですか? もう生活をかけてジャンケンしてましたね(笑)。

――優希さんの高校生活の一番の思い出は?

優希 一回定期を失くしたことがあったんです。定期と財布が一緒だったので帰るお金がないってなって、家まで3時間かけて歩いたことがあって、それが一番の思い出かも。

井上 3時間ですか⁉ それは思い出に残りますが、それが一番って悲しいですね……(笑)。

――今後、挑戦されたい役柄はありますか?

優希 私は今までTHE恋愛という作品や役をやったことが無かったので、キラキラした楽しい恋ができる役をしてみたいですね。あと『NO CALL NO LIFE』のような作品も、またやってみたいです。今回、お芝居をしているような感覚がなくて本当に自然体だったんです。自分に近い役で演技を通して自分を理解できるような。だからこれからも有海のような役に出会えたらって思っています。

井上 僕はずっと言っているんですけど、がっつりとアクションができる刑事ものがやりたいです。あとはミステリーものとかもすごい興味ありますね。

 『NO CALL NO LIFE』で役者として一皮剥けた印象の優希さんと井上さん。これからさまざまな役柄に挑戦し続けるおふたりの活躍に注目です。

『NO CALL NO LIFE』

高校3年生の夏、携帯電話に残された過去からの留守電メッセージに導かれ、佐倉有海は学校一の問題児・春川と出会い、そして恋に落ちた。親の愛を受けることなく育った有海と春川。似た者同士のような2人の恋には、恐いものなんて何もないと思っていた。それはあまりにも拙く刹那的で欠陥だらけの恋だった。やがて、時を越えた留守電が有海の衝撃の過去を浮かび上がらせる。一方、母親にも見捨てられ、学校でも厄介者となり、警察にまで追われる身となってしまう春川。それでも2人は一緒にいれば何かできる、何とかなると思っていた。そんな2人には、あまりにも切ない衝撃の結末が待っていた。

脚本・監督:井樫 彩
原作:壁井ユカコ『NO CALL NO LIFE』(角川文庫刊)
出演:優希美青、井上祐貴、犬飼貴丈、小西桜子、山田愛奈、駒木根葵汰、永岡 佑、桜井ユキ ほか
2021年3月5日(金)全国公開
https://nocallnolife.jp/

2021.03.04(木)
文=渡里友子
撮影=松本輝一
スタイリスト=長谷川綾(eleven./優希)、西脇智代(エヌアイティー/井上)
ヘアメイク=RYO(ROI/優希)、天野誠吾(井上)