――おふたりは今回が初共演になるんですか?
井上 以前に一度、一緒の作品には出演させていただいたことがあるんです。セリフを交わしたわけじゃなく、シーンが一緒だっただけなんですが。でも、それよりも前にワークショップとかでは何度かご一緒したことがあって、多分それが初対面でしたよね。
優希 私、井上さんが受けた(第42回)ホリプロタレントスカウトキャラバンを見に行きましたよ!
井上 え!? それはもう僕がど緊張の時だったので…でもご挨拶はしてないですよね?
優希 しましたよ!
井上 あ、思い出しました! 乾杯の時ですよね?
優希 絶対嘘ですよ(笑)。
井上 本当ですよ! ちゃんと思い出しました。
――ちなみに、優希さんから見て井上さんの第一印象はどうでしたか?
優希 前にご一緒した作品の時、井上さんが自分のシーンが終わった後も現場に残ってモニター横で他の役者さんのお芝居を見て勉強されていて。それを見て、とても真面目な方なんだな、と思いました。
そんなこともあったので、勉強熱心で真面目なイメージが強かったんですけど、実際共演したら、意外と天然なところもあって。
井上 ちょっと抜けているところがありました?
優希 はい(笑)。でも最初は話づらかったらどうしようとか思ってたんですけど、とても接しやすかったので、逆に良かったです(笑)。
――今回共演されるにあたって、なにか普段接する時に気をつけた面とかありますか?
優希 普段通りでしたね。
井上 そうですね。ただ、やっぱり映画の中で色んなシーンがあるので……、苦しい描写があったり、重いシーンがあったり。そういうシーンの前には極力自分からはあまり話しかけないようにしていました。
優希 そうなの? でもあまり変わらなかったですよ。あえて距離を置くとかもなかったですし。
井上 う〜ん、言われてみれば確かにそうかもしれないです。大変なシーン以外は普通にみんなで話していましたね。
優希 作品の内容的には重いし、スケジュールも朝から夜までと結構タイトだったから、後半はスタッフさんとか疲れ切っちゃうんじゃないかって心配してたんですけど、最後の最後までみんな元気で明るかったですね。
井上 そうでしたよね。とても賑やかな現場でした!
――今作は留守番のメッセージに導かれて2人が出会い、徐々に惹かれあうという少しSF要素のある物語でしたが、おふたりはこんな幻想的な出会い方ってどう思われますか?
優希 時空を超えたメッセージで繋がっていくって最初は少し不思議に思うかもしれませんが、実際にあったら、運命的とも感じるかも。でも、憧れの出会いではないかな…。
井上 僕は自然な出会いがいいですね。友だちの紹介とか、出会いの形にこだわりはないんですが、何かのきっかけでたまたま出会って、話があったりとか、趣味が同じだったりとか。そういうのがあれば素敵な出会いだな、と感じますね。優希さんは?
優希 私、憧れの男性のタイプが『名探偵コナン』の江戸川コナン君なので、よく漫画とかであるような実は近所に住んでいた人と昔出会ってたみたいな、出会い方に憧れちゃいます。結構、夢みがちなので(笑)。でも、現実だと、小さくなっちゃって出会うみたいな出会い方ってあんまりないですよね。
井上 あんまりというか、ないですよね(笑)。さすがに。
優希 なので、実は昔、出会っていたという出会い方が良いですね。”この人、運命の人なんだ!”って舞い上がったりしてみたいです。
――もしおふたりの目の前にそれぞれ春川と有海ちゃんが現れた時、惹かれる部分はありますか?
優希 演じている中で、有海と一緒でだんだん春川を好きになっていったんです。なんか最初は急にやって来て”よく分からないことを言ってる人”だったけど、自分と似てるところがあるっていうのを知ったときに安心したりとか。
自分の過去を気にして、お母さんに愛されたいとか、嫌われないかなって不安に思って話してる春川が愛おしく思うようになりましたね。だからもし現れたら惹かれるかもしれません。有海と一緒で、気持ちが理解できるので。
井上 僕は女の子でも男の子でも、ミステリアスな人に興味があって、そういう人に対してもっと知りたいなって思うタイプなんです。有海ってやっぱりどこか不思議じゃないですか。だから、もっと知ってみたいと思っていろいろ質問したり、話かけるかもしれないですね。
2021.03.04(木)
文=渡里友子
撮影=松本輝一
スタイリスト=長谷川綾(eleven./優希)、西脇智代(エヌアイティー/井上)
ヘアメイク=RYO(ROI/優希)、天野誠吾(井上)