空間の見え方がおかしくなってくるニッキの回転
![少年隊の3rdシングル「ダイアモンド・アイズ」(1986年)、4thシングル「バラードのように眠れ」(1986年)、5thシングル「stripe blue」(1987年)。どれが好みかと問われれば、ニッキが惜しみなくサービス精神を披露してくれている「ダイアモンド・アイズ」に一票。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/-/img_b9c1bc912eac62aa011b964a3b3da71f109931.jpg)
さて、今改めて少年隊の動画を見ると、ニッキとヒガシの時空がおかしい。
特にニッキ。彼に対して地球の引力が仕事をしていない! ジャンプの滞空時間が「ふわっ……」と余韻があり、「飛びヒモ付けてる?」と透明のフライングロープを確認したほど。
しかも長い脚と首がガウンガウンと音がしそうなほど美しく回るので、彼が回転するシーンを見ていると、そのままプロペラの如く宇宙に飛んで行ってしまいそうで心配! オーラもすごく、回るたび体中から金粉をまき散らすイリュージョンをしているようだ。
そしてヒガシ。ニッキとは違った意味で空間がおかしい。キレが速すぎる。過去からタイムスリップしてきた忍者orサムライのようである。
すぱすぱとスゴ腕で竹を切って修行しているうち、時空まで切ってしまい、気がつけば80年代にいた、と彼が証言すれば、私はアッサリ納得してしまうだろう。
そんな2人をしっかり地球モードに戻してくれるコンタクティー的存在がカッちゃんである。バク転問題やダンスについて2人にイジられている微笑ましい動画も見つけたが、いやいやパフォーマンスを見ると、カッちゃんもじゅうぶんスゴいではないか。人間離れしたニッキとヒガシと一緒に踊っても、じゅうぶんに映える「表現力」がある。
そして彼は声が素晴らしい。心に染み入る浸透率が独特。
ニッキ&ヒガシの時空を超えたパフォーマンスに、類い稀なるソフト&スイートなカッちゃんのシンガソンがカチリとハマり、見事な一体感となっている少年隊。
「3人」であることがここまで自然なグループは珍しい。3人って難しいはず。シブがき隊もそうだったが、役割分担がしっかりハマッているトライアングルは、観ていて本当に気持ちがいい。
2021.02.19(金)
文=田中 稲