なぜボビイにはクマ隠しなど欠点カバーが充実してるのか
そういうふうに一般の女性を見違えさせるメイクテクをすべて見せる本『リビング ビューティー』もアメリカで一大ベストセラーになったし、“欠点カバー”の化粧品がとりわけ充実しているのもそれがため。ボビイは“ナチュラルメイク”の印象が強いが、結果としてナチュラルな仕上がりとなっても、目的はあくまでその人のいちばんキレイな顔。そのために最善を尽くすから、欠点カバーは絶対のカギとなるのだ。
まずボビイの得意技と言える“クマカバー”には、コレクターや専用コンシーラーなどの大ヒット商品があるが、この春も、まぶたのくすみにも使えるアイブライトナーがデビュー。青グマ、茶グマと、クマの種類によってカラーを選べるのもボビイ流。ここまでクマ隠しにこだわるのは、まさしくリアルなクマがいちばん人を老けさせるから。言葉は悪いが、キレイの落ちこぼれを作らないブランドなのだ。
そして今年もう一品、他にはない欠点カバーアイテムを発表した。それがあらゆる肌の色ムラを補正するリタッチング パウダー。塗っているのがまったくわからないのに、肌色の欠点が隠れてる。くすみもシミも顔色の悪さもほてりも、意味不明のムラも消す一方、逆にほのかな血色を加えたり、色白に見せたり。また鼻すじや頰を高く見せたり、輪郭を細く小顔に見せたり、キメの揃った美肌に見せたりと、ともかくいろんなことができてしまう。カラーは5色あるが、本当にマジックのようなパウダーなのだ。自分の肌にはどのカラーが必要か、ぜひカウンターで“リタッチ”を学んでほしい。メイクの最後のひとハケ。ともかくこれで、全員が見違える。
そういうふうに、素人が簡単にキレイになれるのが、ボビイのコスメの特長だが、太いスティック状のチークは頰を数回トントンするだけで見事にほのかな血色ができあがるし、クリーミー マット リップカラーも、唇にポンポンたたくだけで、少女の唇ができあがる。もちろんしっかり塗れば、ドレスアップの唇にも。
一方、大傑作のオイルの使い方も幅広く、オイルマッサージはもちろん、ツヤのない人のメイクの仕上げに頰にうっすらオイルを塗る……みたいな他にはない提案にも使われる。
もうひとつ、この春の目玉はここだけの“ヨガ美白”。単にシミや色ムラを美白するだけではなく、本当にイキイキした、いわゆる“色ツヤ”のいい白ピンクをうっすら帯びた澄んだ肌色へ、ヨガをしたあとの体中のよどみがすっかり浄化された美肌色を再現する美白なのだ。その人の“本当に美しい顔”を探し出す、100%使い手の身になるブランドだからこういう美白になるのだろう。
“キレイごと”にしないし、理屈でごまかさない、サイエンスで難しくもしない。だから全員がちゃんとキレイになれる、何としてもキレイにする。それが“リアル”にこだわるリアルコスメの魂なのである。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2013.01.26(土)