つくる人がつくると全然違う!!
1、2 ぽんぽんと肌に直接のせるスポンジタイプのチーク。オイルフリーでふんわりとした印象に。コンパクトで機能的なスポンジ面もポイント。エアリーマット チークス(1エアリーピンク、2 エアリーオレンジ) ¥2625(1/18シーズン限定発売)
3 最新ファンデーションは透明感と色ムラカバーの両立を実現。うるおい感と崩れにくさで人気。ジェルクリーミィファンデーション SPF24・PA++ 全7色 30g ¥5250
4 ムラなく、なめらかな仕上がりに。ファンデーションブラシ ¥2940
5 くすみを整え、ツヤ感を演出。コントロールカラーN シルバー ¥3675/RMK Division
あのリーマンショック以降、コスメ界にも“初めてかもしれない不況”が訪れて、明らかに流れが変わった。市場がのびる一方の時はなかなか見えてこない、本当の実力が自然にあぶり出されてきたのだ。
そこで不意に見えてきたのが、アーチストコスメの底力。気がつけばトップアーチストたちの商品づくりのうまさが、あらためて浮き彫りにされていた。まずはRMK。そしてCHICCA(キッカ)にアディクションの3ブランド。説明するまでもなく、いずれも世界的な日本人メイクアップアーチストが日本でつくったブランドだ。もしもそれをひとつのカテゴリーと見ていいならば、今こそそこにスポットライトが当たるべき。当然のことながら、やっぱり職人芸、本物の匠の技といったものをまざまざと見せつけてくれるから。
RMKのRUMIKOさんも、CHICCAの吉川康雄さんも、アディクションのAYAKOさんも、ニューヨークでトップアーチストとして活躍してきた人。それぞれにとても独創的な世界をつくりあげてきたが、そういう世界基準の実力をもった人が、日本の市場でコスメをつくった……という点では共通。しかも3ブランドともアーチストコスメとして特殊なケース。第一次アーチストコスメ時代のように、アーチストの自由奔放な感性で、ひたすら最先端“カラー”だけを発信する、という従来のスタイルではない。ニューヨークに息づく洗練を駆使し、むしろ日本女性を本気でキレイにするために立ち上がったという点で。だから日本で圧倒的な存在感を放つのだ。
わかりやすいのは定番色で、本当に思わずうなってしまうほど洗練されたカラーと、塗ってわかる質感の見事さ、仕上げてわかる設計のうまさは、やっぱりコスメ界の中でも群を抜いている。つくる人がつくると、ブラウンも違うし、ピンクも違う。当たり前の色も明らかに違うのだ。
でも、さらなる実力を見せつけるのが、じつはベースメイクだったりする。言うまでもなく、ベースものはもともと各社が微差を競っているアイテムで実力の差が見えにくいはずなのに、何だか違うのだ。やっぱりつくる人がつくるとハッキリ違う……それを思い知らされるのである。
世界的なアーチストが“日本人の肌のためにつくるベースメイク”は飛び抜けてすばらしいことを最初に証明したのは、言うまでもなくRUMIKOさんだった。デビュー当時、まだ厚ぼったかった日本女性のファンデーションを薄くして、キメを細かくして清らかにしたのがRMKで、肌質をひと塗りでランクアップさせて清潔そうな肌に見せる下地もスーパーロングセラーとなった。あの時から、日本の女の肌が変わったとも言われるほど。それもやはり、ニューヨークから日本人の肌を見つめてきて、日本女性をキレイにしたいという衝動に突き動かされてつくったベースメイクだから。日本への愛から、そういうものができたのだ。
そこに、腕は世界トップクラス、心は日本人であるアーチストの有難さをひしひし感じたもの。やっぱりまず、“肌”なのだ。肌を洗練させることで、日本の女は飛躍的に美しくなることを、この人は知っていた。そこにいたく感銘を受けたのを、今もよく覚えている。ニューヨークで活躍したアーチストでなければつくれなかった化粧品と叶わなかった提案、それが私たち日本人にとって、どれほど貴重なものだったことか!! 加えてチークに特別なこだわりをもったのもここが最初。“血色チーク”という正解に気づかせてくれたのも、RMKだったと言っていい。
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2013.01.29(火)