3冊目『続・酒中日記』(坪内祐三)
“今もどこかで誰かが飲んでいること”に励まされる
「書くのも楽しいけれど、読むのはもっと楽しい。だから日記が好きです。
明日はライブだ。明日はレコーディングだ。そうやって酒を我慢しなければいけない日がたまにあって、そんな時にこの本を読んでいると、こうして今もどこかで誰かが飲んでいるということになぜかすこし励まされます。
誰かに会って、話をして、食って、飲む。それを読んでいるだけなのに、なぜこんなにも楽しい気持ちになるんだろう。人と会って話す気苦労や、食べ過ぎ飲み過ぎに対する後ろめたさ、そういった自分の気持ちを代行してくれるよう。
一日でも早く、こんな風に気兼ねなく人と会って、思う存分酒を飲みたいです」
◆あらすじ
2007年に「小説現代」でスタートした連載エッセイ「酒中日記」の続編。人はどのように酒を飲み、友と何を語るかをテーマに掲げ、文壇の人々のみならず、演劇や歌舞伎、相撲など幅広い人脈を持つ著者が、「好きに生きて、好きに飲む」日々を生き生きと描く。「酒中日記」はのちにドキュメンタリー映画化もされ、本作には撮影中のこぼれ話を綴った「『酒中日記』撮影日記」も収録。
◆新刊案内『苦汁100% 濃縮還元』(尾崎世界観)
『苦汁100%』が濃縮されて待望の文庫化! 尾崎世界観が赤裸々に綴る、日常と非日常。
人気ミュージシャンでもあり、処女小説『祐介』で文壇を驚愕させた著者が、喜怒哀楽に満ちた日常をユーモアたっぷりに綴った日記。尾崎世界観の〝世界観〟を堪能できる1冊。文庫化に際し、コロナウイルスに揺れる2020年2月、50ページ以上の書き下ろし最新日記「あとが記」を追加収録。文春文庫 690円。
あの人のおこもり本
2020.06.01(月)
文=CREA編集部
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