ラジオ番組「オードリーのオールナイトニッポン」のヘビーリスナーだったことが縁で邂逅した、小説家の朝井リョウさんととHIPHOPユニット「Creepy Nuts」のDJ松永さん。

 出会うべくして出会い、今ではどこまでも通じ合っているソウルメイト同士の、永遠に終わらないかと思われたトーク(のごく一部)をお届けします。


初対面では「違います」と逃げ去った

 岐阜県垂井町出身の30歳と、新潟県長岡市出身の29歳。

 小説家とHIP HOP DJという「しゃべる必要のない職業」を選んでその道のトップランナーになったにもかかわらず、それぞれ自身のラジオ番組を持って人気を博している。

 そんな共通点のある朝井リョウさんとDJ松永さんのふたりに、お互いがいかにかけがえのない存在であるかを問うた……というか、問うまでもなく、そのことを示す言葉が湯水の如く出てきました。


朝井 最初に顔を合わせたのは、「Creepy Nutsの“悩む”相談室」(Webで配信しているラジオ連載)の特別篇です。CD発売の際にインストアイベントが行われると聞き、(当時勤めていた)会社の同期と行きました。

 CDを買うとサインがもらえるので並んでたんですけど……気づかれないと思ったんですが、R(-指定)さんが気づいてくれて、それがすごい恥ずかしくて、逃げました。

松永 その時、「朝井リョウさんですよね?」と声をかけたら、「違います違います、すいませんすいません!」とだけ連呼して去って行きました(笑)。

 で、その後ちゃんと会ったのは、若林(正恭)さんがとりもってくれた時で。3人で会う予定だったのが、当日、若林さんが体調を崩されて──。

朝井 架け橋である若林さんが来られない、ってなった時に「終わった」と思った。

 でもそういうのってタイミングっていうか、次なさそうじゃん、今回を逃したら。

松永 まあね。そうだね。

朝井 私はその日、西加奈子さんの家にいて、夕方、西さんに「こういう状況なんですけど」と──。

松永 (笑)。相談したの?

朝井 そしたら西さん、子どもをあやしながら「絶対行ったほうがええやん、そんなん!」って。それで、松永に直接連絡しました。

2020.05.17(日)
文=兵庫 真司
撮影=松木 宏祐

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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