ずっと気持ちの話をしてるの、ほんとに怖い！
松永 だから、「ここだけだぞ！」って思うようにしてます。
前は、こんな感じで仲良くなれる人、もっといるんだろうなと思っていて。
「この人仲良くなれそうかも」って思ったら、試しにちょっかいかけてみたりしたんですけど、サッて離れられちゃいますもん。
合う人、マジでいない。特にバンド界隈にはいない。みんなほがらかで健康的で、社会的にちゃんとしてる人が多い。
内省的な話は、あんまりしないというか。
朝井 そもそも内省的な話を求めてないのかも。だとしたら何の話してるんだろう。趣味の話とか？
松永 趣味の話、しないもんね。ずっと“気持ち”のことをしゃべってる。
朝井 怖い怖い！ ずっと気持ちの話をしてるの、ほんとに怖い！
松永 っていうか気持ちって何だよ！(笑)
朝井 でも確かに“気持ち”の話としか言いようがない。若林さんと3人で会っても、気持ちの話になるよね。気持ちの話って、びっくりするほど長いんですよ。
松永 この間会った時も、(朝井が)翌朝早いって言うから、23時半になったら帰るって決めて。それで早めに店を出て、池袋の夜の路上で立ち話をしていて。気がついたら朝5時半だったんですよ。
朝井 ガードレールの前でね。絶対どっか入ればよかった。
松永 でも、あそこで立ち話してるほうが、しゃべりのグルーヴが崩れない。
店に入るといったん終わって、同じ熱量で話の続きができなくなるから。初めて会った時も、封じ込めてた気持ちが堰を切ってブワーッて出ちゃって。
あの時はゾーンに入ってたね。
朝井 ゾーンといえば、初めて会ってから1週間ぐらい、ずっとゾーンだった気がする。
LINEが途切れなくて、これ会ったほうが早いってなって1日おきに会って、あの期間にかなり吐き出した。
2020.05.17(日)
文＝兵庫 真司
撮影＝松木 宏祐
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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
この記事の掲載号
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