バラエティに富んだ玉里羊羹

◆廣盛堂「羊羹」1本 25元

 花蓮県の南部に位置する玉里。ここにも日本と繋がりがあるお菓子が存在します。

 それは1905年に窪田德次郎氏によってもち込まれたとされる「羊羹」です。

 玉里は近くに清らかな秀姑巒渓が流れていること、また、花豆の栽培が盛んだったことから羊羹づくりに適した土地とされてきました。

 日本統治時代はもちろん、戦後もいくつかの羊羹店がありましたが、現在、最も有名なのは中山路にあるここ「廣盛堂」です。

 創業者は日本で修業した経験があり、確かな味わいを誇ります。また、ウーロン茶味やパイナップル味、ハチミツ味など、台湾らしい素材を用いた羊羹も開発。

 日本の羊羹よりも甘さが控えめで、値段も安く、しかも日持ちがするので、お土産にも適しています。

 なお、玉里には日本統治時代の神社跡が公園として残されているほか、「玉里麺」という名物料理もあります。

 さらに郊外の赤科山と六十石山は、一面に広がる金針花の畑で知られています。「金針花」とはユリ科の植物で、台湾ではスープや炒めものなどの食材に用いられるもの。

 毎年8月下旬から9月にかけては山一面が鮮やかなオレンジ色の花で埋め尽くされますので、ぜひ訪れてみてください。

廣盛堂(クワンセンタン)

所在地 花蓮縣玉里鎮中山路二段82號
電話番号 03-888-2569
営業時間 8:00~21:20
定休日 無休
アクセス 台鐡玉里駅から徒歩約8分

2020.05.28(木)
文・撮影=片倉真理