ご来光を浴びながら 朝風呂に浸かる贅沢

 犬吠埼灯台の周辺には遊歩道が整備されていて、その一角に、「犬吠埼湧水」という湧き水があります。

 近隣にあるパワースポットの猿田神社のお水取りと合わせて、ここの湧き水も持ち帰る人がいるそうです。

 さらに5分ほど歩いた先にある「別邸 海と森」は、伏見宮貞愛親王の別邸“瑞鶴荘”の跡地の丘に建てられたもの。

 明治時代に人気があった借景式庭園で、海の眺めを巧みに取り入れたこの立地は、その特徴がはっきりと出ています。

 そして時は第一次大戦、元帥陸軍大将だった伏見宮貞愛親王が丘の上の見晴らし台に立たれると、沖を航行する軍艦の軍人たちは船上に並び、一同敬礼したまま航行したそうです。

 「別邸 海と森」は温泉施設を併設したホテルなのですが、離れの6室がオススメ。独立型ヴィラでテラスに天然温泉の露天風呂がしつらえてあります。

 離れの中でも「月汐」は、東と南東の2面が大きな窓ガラス。

 テラスの露天風呂もちょうど太平洋から昇る朝日に向かって置かれています。関東の東端に位置するココ、この海の向こうにはアメリカ。

 カリフォルニアを想像しながら、ご来光を浴びる朝風呂。贅沢な気分です。

犬吠埼

●アクセス 銚子駅から車で約20分。東京から車で約2時間30分
●おすすめステイ先 別邸 海と森
http://www.umitomori.jp/
※2020年5月15日(金)現在、緊急事態宣言を受けて臨時休業中。営業再開日はホームページを参照。

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2020.05.16(土)
文・撮影=古関千恵子