テーブルで使いたい パン切り包丁とまな板

 次はパン切り包丁とまな板です。

「包丁は通常、持ち手を留めるビスのあたりに汚れがたまりやすいですよね。そこでビスが出ないつくりに。金物が手に当たらず、手触りもよく、汚れにくい形です」

 強化木でできた弓形の持ち手が手にフィットし、気持ちのいい握り心地。

「まな板は、パンを切ったときのパンくずが溝に入るので、周囲に散らばりにくい。溝のない余白の部分にはチーズやピクルスをのせて、食卓でも使えます」

 そう、小泉さんは「キッチンの道具を、そのままテーブルでも使いたい」と考えています。だからデザインするキッチン道具はどれも、機能性的、かつ美しいのです。

 たとえばこんなユニークな味見スプーンもありました。

2020.03.28(土)
文=前中葉子(BEAM)
撮影=平松市聖