料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、ベテランフードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。
冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?
CREA WEB読者のみなさま、明けましておめでとうございます。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
いきなりですが、トップ写真は我が家の元旦の食卓。作ったものといえば、だし巻き玉子と紅白なますのみ。あとはサクで買ってきた鯛を刺身にして、残りは全部買ってきたものを並べてます。
うちはパートナーとふたり暮し。おせちは去年まで買ってたのですが、「苦手なものもそれぞれあるし、今年はお互いが食べたいものを好きに買えばいいか」となって、スジコ、小肌酢、カズノコわさび漬け、ちょっといい明太子、イカと里芋の煮物を購入。
やっぱりあったかいものも欲しいよな、と元旦にだし巻き玉子を作って、お刺身ひいて、余ってたチーズも出して、明太子やスジコと一緒に食べる。
うーん、ラクでおいしい三が日でしたねえ。だんだんと自分にとってより暮らしやすく、面倒でない方法を選べてきてるというか。
紅白なますは好物なので、大量に食べたかったから自作にしました。
昔はきちんと細切りにして甘酢も作ってましたけど、今回はスライサーで大根とニンジンをそれぞれカットしてから切って、軽く塩して、市販の調味酢(スーパーのお酢のコーナーにきっとあります、あらかじめ砂糖やらがブレンドされて、そのまま漬ければ南蛮漬けやピクルス風になるもの)にだし昆布と漬ける、というプロセスに。
なんだか12月、仕事も立て込んで疲れちゃったんですね。正月準備はとことん簡易にしようと決めました。そう、自分をラクにするには自分で決めるしかないからね。
家の料理って「心と体の余裕」と「経済的なこと」の2つが要だと思っています。年始の食ぐらいはデパ地下でおいしいもの買って、本当に作りたいものだけ作って、あとはのんびり、ゆっくりで英気を養う。それが、我が家の三が日の食の姿でした。
無理せず過ごしたおかげで、なかなかスムーズに日常移行できています。
2020.01.19(日)
文・撮影=白央篤司