ハワイを語る上でやはり欠かせないのが、ハワイの伝統文化のお話です。今回は伝統文化の中でも、今や世界各国の人々を魅了し愛され続けるハワイの伝統舞踊「フラ」に関連する情報やイベントなどをご紹介しましょう。

普段はテニス・スタジアムとして市民に親しまれているイーディス・カナカオレ・スタジアムが、一変して最高峰のフラの祭典の場となるメリー・モナーク・フェスティバルの1週間

 まずその筆頭に挙げられるのが、ハワイ島ヒロで毎年行われ、2013年で記念すべき50回目を迎えるフラの最高峰の祭典「メリー・モナーク・フェスティバル」です。「フラのオリンピック」とも呼ばれるほど名声のあるフェスティバルとして毎年、世界中からフラのファンが集まります。しかし、もともとはヒロの町興しの一環として始まった小さなイベントだったのです。

前夜祭のオープニングを飾るハーラウ・オ・ケクヒのケイキ(子供)たちのパフォーマンスは、大人顔負けの気合が入っている

 ところが70年代初めに「ハワイ・ルネッサンス」と呼ばれる運動が起こり、それまでの西洋文化優勢の社会から本来のハワイの文化を復興させようとする流れがやってきました。その流れを汲んでフェスティバルは、ハワイ州在籍のハーラウ(フラ教室)が3日間に渡りフラ・カヒコ(古典)、フラ・アウアナ(モダン)、そしてミス・アロハ・フラの3部門において競い合う競技大会として確立されたのです。

カーネ(男子)の快活でエネルギッシュな踊りは、観衆を沸かせるに十分! こちらは今年総合優勝を果たしたハーラウ・イ・カ・ヴェキウのパフォーマンス

 毎年、その年のイースター(復活祭)となる日曜日を皮切りにフェスティバルがスタートし、日曜からその週の土曜まで、競技大会を含み、連日あらゆるイベントがヒロの町のいたるところで行われます。中でも地元民が一番楽しみにしているのが、水曜日に行われるホイケ・ナイトと呼ばれる前夜祭。チケットのいらない無料公開の日ということもありますが、その夜に決まって一番最初に舞台を祝福し踊りを披露するのが、フラ界の重鎮的存在であり、7世代に渡り火の女神ペレに捧げる踊りを継承してきた「ハーラウ・オ・ケクヒ」だからです。彼、彼女らの気迫に満ちた舞台は、観る人の魂を揺さぶるほどの迫力!

 そんな前夜祭の盛り上がりを生で観賞したら、競技大会はテレビでの観戦をおすすめします。なぜならチケットは事前予約が必要で、しかも応募当選者のみという難関を突破しなければならず、観戦時間が長時間に及ぶから。今ではストリーミングで日本でも生中継でその様子が観られるはずですので、どうぞお楽しみに!

» Merrie Monarch Festivalやその他イベントの詳細は2ページ目に掲載しています。

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2012.11.26(月)