ハワイ島を訪れる際に必ず立ち寄って散策していただきたいのが、東側の行政&経済の中心地であるヒロ、特に古い街並みとノスタルジックな雰囲気が残るダウンタウン・ヒロです。その昔、カメハメハ大王は「カイパラオア」と呼ばれるダウンタウン・ヒロの西側の端(街が始まる周辺)、ワイルク川の河口付近にある砂浜にカヌーで上陸しました。その際カヌーを固縛するために使われたのがハワイ語で「ねじる」という意味の「ヒロ」という紐であったことから、大王はこの場所を「ヒロ」と命名したのです。

カメハメハ大王が降り立ったカイパラオアの岸辺は現在のダウンタウン・ヒロの一番西端。奥にワイルク川の河口がある

 現在、その砂浜には小さな白い灯台があり、地元の人がのんびりと魚釣りをするようなこぢんまりとした公園になっています。ここからヒロ湾を眺めると、もう一つ、ネーミングの由来ともなったと言われている三日月(ハワイ語で「ヒロ」)のような弓状の形をしているのが一望できます。

ヒロ湾越しに一望できるのがダウンタウン・ヒロ、そして背後の雄大なマウナ・ケアの姿

 ヒロの近代の歴史は、サトウキビ畑で働くためにハワイ島へ移民した日系人を中心とした移民の活躍により築き上げられた、と言っても過言ではないでしょう。ハワイ州第一の商業の街として、日系人の経営する商店が多く立ち並び、繁華街や映画館も複数あったほど賑わっていたヒロですが(かの美空ひばりさんも子役時代にこちらで興行をされています!)、1946年と1960年の度重なる津波により一変してしまいます。そしてその後、災害から復興するも、華やかな時代が取り戻されることはありませんでした。

ハワイの固有種などがデザインされたオリジナル生地のお洒落なアイランドウェアで有名なシグ・ゼーン・デザインズの店内

 ところが、観光開発を逃れたお陰(!?)で、昔のたたずまいの残る魅力ある街がそのまま保存されることになったのです。街を歩けば、オリジナル・アロハウェアでも有名なシグ・ゼーン・デザインズなどのお洒落なブティックや、エスニックが美味しいレストランなどが点在しています。一日掛けてゆっくりとダウンタウン・ヒロとその周辺を歩いて観光してみてください。街ののんびりとしたペースにひたっていると、いつしか自分もこの街の住人になったかのような錯覚に陥るかもしれません。

Sig Zane Designs (シグ・ゼーン・デザインズ) 
住所 122 Kamehameha Ave., Hilo, Hawaii 96720-2833
電話 +1-808-935-7077
営業時間 9:30~17:00(月~金)、9:00~16:00(土)
定休日 日曜、主な祭日
URL www.sigzane.com

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2012.11.20(火)