ハワイ島、西側のカイルア・コナの街より車で約15分の美しい海岸沿いにある、シェラトン・コナ・リゾート&スパ・アット・ケアウホウ・ベイ。2012年9月初旬に、約1年以上をかけたリニューアルを終えたばかり。心機一転、名前も新たに(以前のホテル名はシェラトン・ケアウホウ・ベイ・リゾート&スパ)、このエリア唯一の大型リゾート・ホテルとして、ハワイのしきたりに則った儀式を経て無事に再オープニングを遂げました。

大きな滑り台や砂場もあるプールは、幅の広い年齢層の子どもたちが遊べるホテルの人気スポット

 今回のリニューアルで注目したいのが、スタッフのユニフォームから全客室、ロビーやホテルのさまざまな場所の装飾品のデザイン。そしてそのコンセプトの監修を手がけたのが、ハワイ島ヒロに本店を構える、シグ・ゼーン・デザインズのオーナー兼テキスタイル・デザイナー、シグ・ゼーン&オハナ(ファミリー)である、ということです。

(写真左から)シグ・ゼーン、ナラニ・カナカオレ、クハオ・ゼーン

 オハナ・ファミリーとは、シグ・ゼーンと、シグの妻であり、クム・フラ(フラの師)として名高いナラニ・カナカオレ、そして息子でグラフィック・デザイナーとして活躍するクハオ・ゼーン、のトリオ。彼らは、このケアウホウ、という土地の持つ特有の文化的、歴史的な背景をホテルの随所に吹き込みました。

 例えばユニフォームに使用されているテキスタイル・デザイン一つを取っても、深い意味が込められています。家族や絆の象徴であるウル(パンの木)、ケアウホウ湾の海流を表す山形模様(シェブラン)や鮫の歯を現す三角形模様、そこに生息するヒヒマヌ(マンタ)やアクレ(ムロアジ科の魚)など、この土地を代表する生き物がデザインとして表現されているのです。

ユニフォームに使用されているテキスタイル・デザインには、家族の象徴であるウルの葉が

 見た目のデザインの美しさだけではなく、その背景にある意味を知ることにより潜在意識的にもこの土地を愛で、感じることができるのがこのホテルの魅力です。

<次のページ> ホテルのある場所は人々が敬意をもって訪れる神殿の跡地