山戸結希監督の
独特な演出とは?

――ちなみに、山戸結希監督の演出スタイルは、ほかの監督とどのように違いましたか?

 監督が納得しなければ、当日のスケジュールは関係なくテイク数を重ねて、撮り続ける。そのこだわりは、異例中の異例だと思います。

 それだけ、「いいものを作りたい」という表現者のクリエイションとしては、美しい追求の仕方ですし、100%の熱量をぶつけてくる才能だと思いました。

 そこまで、僕たちの芝居を見てくれているので、役者としては名誉なことで嬉しかったです。

――セリフ量の多さについては?

 正直大変でした(笑)。

 また、カットを割らずに芝居を通しますし、台本の変更も1行、2行どころか、シーン全部変わることもあるんです。

 そのことに驚くこともある現場でしたが、それが監督のスタイルだと思うし、僕としてはできるかぎりいいものを作らなきゃいけないという意識のうえでやっていました。

2019.07.12(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘