宇宙の中心にぽつんと浮かぶ感覚

 室内をチェックしているところへ、スタッフが食事の準備が整ったと、透明な壁の向こうからジェスチャーを送ってきます。

 用意されていたのは、白砂を掘り起こしたテーブルとイス。そこにシーフードやステーキなどのごちそうがサーブされます。

 サンセットから夜の海まで、大きな空の変化に包まれ、モルディブの大自然を貸し切りにした気分です。

 食事を終えてテントへ戻ると、そこからがハイライト。

 ちょうどスーパームーンの前日だったため、見上げると、大きな月が中天で輝いています。ライトを消して四柱ベッドに寝転ぶと、月の光の筋がまっすぐ差し込んでくるよう。

 月明りに照らされた波から、波音がサラウンドに響きます。宇宙の中心にぽつんと浮かんでいるような不思議な感覚。

 これが、カップルだったらなぁ……。誰かと感動を分かち合う日を夢見て、一人星空の下、眠るのでした。

 翌朝は食事の前に隣の無人島へ歩いて渡って、ぐるりと一周。

 人間の足跡はひとつも付いていないけれども、無数のヤドカリや、カメのものらしきトラクターのような足跡を発見。夜の間、周囲では生き物たちの営みが繰り広げられていたようです。

 朝食も1組のみのテーブルを波打ち際にセッティング。朝日を受けながら、気持ちのいい一日の始まりです。

 ビーチバブルは1棟のみのスペシャルな部屋ですが、フィノールには水上、ラグーン、ビーチのロケーションに125棟のヴィラがあります。

 そのうち最上位クラスは「ロックスター・2ベッドルーム・オーシャン・プールヴィラ」。なんと、こちらのダイヤル式電話はシャンパンをオーダーするための直通ライン。遊び心が効いています。

2019.03.16(土)
文・撮影=古関千恵子