「Get Wild」36バージョンを
収めたCDを聴いてみた!
![『Get Wild Song Mafia』。ゲワイだらけで4時間20分……。たしかに全て聴き終わったあと自分が(がまん)強くなった気がした。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/e/-/img_ce6eeded8d2bd85b85101355e5527ebe362765.jpg)
さて、私は今回の個人的「Get wild」再ブーム記念として、2017年発売時からずっと購入を悩んでいた、「36曲ゲワイ」という無茶をしている『Get Wild Song Mafia』をついに入手するに至った。
さあ、聴かせて御覧なさいな。36曲、思い思いのゲットワイルドを……!
ピコピコスコピコというシンセサイザーの音からなかなか本筋に入らないゲワイ、「ゲゲゲゲゲゲ!」とゲを連発しなかなか本筋に入らないゲワイ。
全曲英語で「ゲッワイルエンターッフ!」「チャンスエンラーック!」と語尾の圧がやたらと強く、全体的にオリジナルより100倍ワイルドなDave Rodgersバージョン、ゲワイの舞台をフランスの昼下がりに変貌させたクレモンティーヌバージョンなど、そらもう想像以上に参加者みなさん好き放題なゲワイ祭りであった。
が、私は確信した。どんな風にアレンジされようとも、出だしはやはり、
「てんてんてん……てててんててん!」
このキーボードのイントロであってほしい、と。アニメでも、このイントロは冴羽遼がシティーハンターから普通のお調子者に戻る瞬間の儀式のようなものなのである。
それが終わってからの、「デケスデデンデンスケデンデンデン!」という疾走感溢れるメロディーにバトンタッチ、そこからアグレッシブなウツの、アスファルトなボーカルに突入、というホップステップジャンプがあってこそのゲワイ!
つ、伝わってますでしょうか皆さま。くっそー鼻歌でお伝えしたいのに。文字から音が出ればいいのに!
と、ここまで語りたくなるのがゲワイのパワー。やっぱりオリジナルショックに勝るものなし。私は1987年バージョンが好きである。もちろんいろんな意見があるだろう。ゲワイの味わい方は∞である。
![某古書店チェーンで入手したジャンプコミックス版『シティーハンター』。34巻の「にせC・H(シティーハンター)登場!!」なるタイトルが気になってしょうがない。読むか。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/2/-/img_d2d0cbe2aa2fc82ce5a421e625a84be3227237.jpg)
さあ、いろいろ勝手なゲワイ論をぶちまけてしまったが、20年ぶりに帰ってきた『シティーハンター』で、最高にナイスでカッコいい獠と愉快な仲間たちとともに、主題歌ゲワイに身を浸し、傷ついた夢を取り戻そうではないか。
そのペインは君だけじゃなく誰かのペイン。何も怖くないぞ!
右:そして、その相手役は後藤久美子だったことを!
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
田中稲の勝手に再ブーム
80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。
2019.02.16(土)
文・撮影=田中 稲
画像=文藝春秋